悪人もなければ正機もなく

「良い人」という言葉があります。

「あの人は良い人だ。」「君は本当に良い人だね。」

巷ではかようなやり取りを耳にする事が往々にしてあります。

私はこの「良い」という表現が好きではありません。

「良い」の裏側には必ず「悪い」があります。

「良い人」を作る人は必ず「悪い人」も作っているものです。

この他にも、「良い神様」「良い霊」などと表現される方も屡々見受けられます。それは同時に「悪い神様」「悪い霊」を自分勝手に作り、忌避する行為にあたります。

陰陽説の原則は万物の双極と言えますが、これは概念的な話です。物質的に動きのある人間社会に求められるのは、陰陽五行説に則った万物の生成と相克にあります。

人は主観的な都合で良し悪しの分類に走りますが、自分にとっての良い人が他人にとっての悪人かもしれません。これは逆も然りであると同時に、神霊を始めとした万物に共通して言えることです。

「良い」という言葉を使う時は、文頭に「」という言葉を付け加えてみると見える世界が必ずや変わります。


「(自分にとって都合の)良い人」

「(自分にとって都合の)良い神様」

「(自分にとって都合の)良い霊」


どうでしょう。

「良い」「悪い」と区別することが馬鹿馬鹿しくなってきませんか。


令和6年10月30日

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る