言葉選美

言葉の美について日々考えておりますが、言葉を無駄なく正確に相手に伝えるにはなにが肝要でしょうか。

これに答えはありませんが、私見として「聞く力」ではないかと考えております。

相手の話し方、言葉選びのクセ、感情の乗せ方、テンポ等までに致るまで注意を払って相手の話を聞いてみます。すると、自分の話し方や伝え方をどの程度操作したらば、相手に何割が伝わるか判るはずです。

また、そうしていくうちに必然、他人の話し方等を学習し、自分の会話する能力の向上にも繋がりましょう。

昨今の学校教育では、「原稿用紙〇枚以上で感想文を書きなさい。」「文字数〇〇〇字以上書きなさい。」などと、兎に角文字数を書かせて文章力もとい伝え方やら語彙力を鍛えようとしますが、逆ではないかと感じます。

文章は短ければ短い程良いのです。かと言って相手に伝わらないのでは本末転倒でございますから、最小限の表現を心がける。

これが、言葉の持つ機能美を引き出す「美しい言葉選び」の方法ではないかと存じます。

また、私につきましては「相手に伝わりそうでギリギリ伝わらない言葉選び」を心がけております。私と会話していて、あと一歩で理解出来るけれどもイマイチ意味が理解できない。咀嚼に留まり嚥下できない。といったことが往々にしてあるかと思いますが、殊更にございます。

これには理由があり、相手の想像力に私の言葉を解釈してもらうことで、当人が理解しやすいようにオリジナルな解釈をしてくれるのです。

それに加え、必然的に私の発した情報について考える時間が生まれます。

故に、一見伝わっていなかった筈の言葉で、唯わかりやすく説明した言葉を超越し、理解をより一層のものとできるわけです。

言葉を最小限に使い且つ最大限に意味を持たせる私なりのひと工夫にございます。


令和6年10月21日

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