シャペロン隊員ギャルのパンツの色が知りたい。

JSG

プロローグ


 その日が2024年7月15日で、夜遅くの出来事だったのは覚えている。

 が、肝心の出来事が何だったか思い出そうとしても全くだった。頭をガシガシ揉んでみたり、トントン叩いたり、トイレで踏ん張る仕草を真似たりもした。

 

 しかしどうあがいても華奢な金髪ツインテールギャルが風吹く中一人、仁王立ちしていて、風のいたずらか運命か、風がいきなり吹き荒れるや否や彼女のスカートがめくれ、その結果、パンツがチラッと垣間見えた光景しか思い出せない。

 その記憶には叫び声も添えられていた。


「え……。っっっきゃああああああああああ」




 だが、一番「肝心」なのはそこじゃない。あ、パンツの色のことじゃないです。

 閑話休題。俺はそれ以降「自分が自分じゃない」気がしている。

 上手く説明できないけれど、パンチラギャルとの邂逅時に何かが起こって俺は違和感を感じるようになった、それだけは断言できた。


 今は2024年7月20日の午後5時。俺は訳あって武蔵小杉駅に向かうべく南武線に乗っているけれど、この違和感にずっと悩まされているわけで電車の座席に腰掛けながら瞳を閉じて、7月15日についてゆっくり洗い出すことにした。



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