第2話 音と人

高校1年生、音楽の授業、それで始まった。歌の発表だった。歌の練習をグループで行って発表をするのだ。

1グループ目の発表、先生が始めの音をピアノで出す。「ラー」

創希貫は絶対音感を持っているのだ。

練習した時は シ の音から歌うのに、発表時に先生はキーを2つ下げてきたのだ。キーが2つ下がったまま1グループ目の発表は終了。

そして2グループ目。

代表者「ぇ~、ちぃさくならなぃょぅに、ぉぉきぃ〇〇▫、ゴニョニョゴニョニョ。」

先生「あごめんなさいもう一度お願いします」

!声が小さすぎて言い直し!

4グループ目の発表

代表者「私達の班は、ペラペラペラペラます!」

先生「あごめんなさいもう一度お願いします」

!早口すぎて言い直し!

そして出番、

創希貫「えー、私達の班はですね、▼◎■●▲!□◇、★!。」

先生「あごめんなさいもう一度お願いします」

!くせが強すぎて言い直し!

先生「それではお願いします」

先生はピアノ「ラー」の音を鳴らす

創希貫「先生✋!音を変えないでください」

先生「え?」

創希貫「キーを2つ上げてください!」

みんな「え!??~?!!」

先生「あ、はい!?」

みんな「すごーい笑」

先生「誰だ絶対音感持ってるのは~」

創希貫「はーい✋」

先生「ツッコまれたの初めてだなぁ、」

先生は63歳、40年もツッコまれたのは俺が初めてのようだ。

そして創希貫の班は原キーのままで発表。

それで終わった。はずだ、

次の日、部活に向かった。彼は合唱部に所属している。すると部活の先輩はいった。

先輩「貫、音楽の授業でキー下げるなみたいに言ったの?」

創希貫「え?言いましたけど」

先輩「先生が授業中に言ってたよ笑「合唱部の1年生の男の子が、先生キー下げないでくださいって言ってきたんです。そうですキーを2つ下げたんです」って」

創希貫「ほんとっすか?」

先輩「ほんと笑、他のクラスにも言ってるっぽい」

ー同じ学年の子にもー

創希貫「ねぇ、音楽の先生が俺についてなんか言ってた?」

友達「うん、絶対音感の子がキーを変えないように主張してきたって」


そう、音楽の先生は俺の絶対音感に相当驚いたようで、別のクラス、学年にその話をしたようだ。

よって「絶対音感の子」と学年では有名になったのだ。

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