整形

天川裕司

整形

タイトル:整形


「おい、お前また整形したのかよ」

ミチカ「ん、あぁそうよ♪プチってやつ」


最近、妻は整形に凝っている。

プチ整形からいろんな体の部位を

デコレーションすることに懲り始め、

様子を見てるともう度が過ぎてると思うほど。


数日後。

「ま、またかよ」

ミチカ「うん♪今度もプチwあ、お金とか全然かからないし心配しないでね♪」


金のことなんか別に良い。

ただ妻の精神の方がちょっと心配なのだ。

なんでそんな整形に整形を繰り返すのか。

なんで体にちょっとしたタトゥーなんか入れるのか?


俺としてはあまりそう言うのが好きじゃなく、

できれば…いや当然やめて欲しかった。

でも妻は全く言うことを聞かない。


「お前またかよ…」

「またなのかよ」

「もうイイ加減にそれやめろよな!」


ミチカ「なんで?別に良いじゃない♪あんたじゃなくて私の体なんだしw」

ちょっとここまで行くと

「狂ってる?」そう思え始めた。


そして俺は妻との将来のことが気になり始めた。

このまま行って大丈夫だろうか?

あいつは俺の言うことを何にも聞かない。

むしろ俺がやめろと言えば言うほど、

あいつはなんだか面白がってそれを繰り返している。


そんな女と、この先一緒にやって行けるものか。

こう思った時、俺は別れることを思った。

でもそんな時の事。


「お、お前、それ…」

外出から戻ったミチカの顔は、包帯ぐるぐる巻き。

目と鼻と口だけが出ており、

それが笑って俺に喋りかけてくる。


ミチカ「ちょおっと今度は本格的にやっちゃったw」

こんな暑いのに長袖で。

そして何事も無かったかのようにキッチンへ行き、

俺のために料理を作ると精を出している。

でも…


「お、おい何だよ、危ないだろ…」

料理をしていた手を止め、

持っていた包丁を俺の方に向けたのだ。

そして片手で顔に巻かれた包帯をぐるぐる取り、

包丁を持ってる方の腕の袖をまくりあげた。


ギョッとした。

中から俺の見知った顔が現れたのだ。

「…………」俺はしばらく何も言えない。


ミチカ「アハwこの顔に見覚えあんでしょ?バレてないとでも思ってた?ずっと前からあなた…」


まくった腕の上のほうに相合傘の刺繍があり、

俺の名前とユカリと言う名前が書かれた上で、

その「ユカリ」の名前の方を棒線で消し、

自分の名前「ミチカ」と刻み込んでいた。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=xbHmDNpKXXg

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整形 天川裕司 @tenkawayuji

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