第39楽章 結果発表
吹奏楽コンクールには、金賞、銀賞、銅賞と3つの賞がある。オリンピックでは1位が金メダル、2位が銀メダル、3位が銅メダル、となるが、吹奏楽は全参加校に賞がつく。最下位でも銅賞になる。これは独特の文化なのだろうか。多くの審査員に評価されたら金賞、次が銀賞、残りは銅賞といった具合なのだ。そして金賞の上位数校が代表として次の大会に進むという
全国大会がいわゆる吹奏楽の
結果もさることながら審査員の評価も気になるところだ。
結果発表の後、各校へ審査員からの講評というものが渡される。各審査員の担当楽器と評価文が読めるのだ。どの審査員も全体を評価するが、やはり自分の担当する楽器に目が行きやすく、評価もそういった視点からになることが多い。
もちろん審査員が全てとは思わないし、自分たちの感性を大事にしていきたいと神楽坂は思うが、やはり
特に神楽坂は打楽器が専門なので、打楽器のことはよくわかっているつもりだけれど、木管奏者や金管奏者の審査員の意見というのはなるほどと思わされることが多い。神楽坂はそれを生徒たちにも伝える。
個人を
その生徒がそれを知ることで演奏が改善されると思われる場合は、その場ではなく別の場面でそれとなく伝えるようにしている。
もちろん金賞をとり次の大会に進みたいという思いで生徒たちは頑張っている。だからこそ、結果発表はそれこそ演奏自体より緊張感がある。自分たちの校名が呼ばれた後、次の最初の言葉が金賞なのか銀賞なのか銅賞なのか、最初の一文字を全ての神経を耳に集中させて聞いている。余談だが金賞と銀賞が聞き分けづらいため金賞を「ゴールド」と発表するところもある。「き」または「ゴ」と聞こえるとホールの一角が歓声につつまれ、他の客席から温かい拍手が贈られる。
一方で「ぎ」だったり「ど」だったりすると、学校によっても反応は様々だが、ほっとした表情を浮かべる学校もあれば、涙を浮かべる学校もある。としても会場からは拍手が贈られる。
大事なのは目標だと思う。ずっと銅賞しかとれていなかった学校は、少しでも上の賞を取りたいと思って練習をしてきたのだと思う。だから、銀賞といわれて嬉しさがこみ上げるだろう。一方で、金賞をとって当然、代表として次の大会に進むというのを目標にしている学校もある。そういう学校は銀賞で涙をのむことになる。生徒たちが
ちなみに、清流高校の目標は「全国大会のステージで自分たちの音色を
大会当日は思いっきり喜んで、自宅に帰って家族でお祝いするのもよいだろう。そして次の日からまた新たな気持ちで、次の大会に向けて演奏を向上させていく。それが大事なのだと、思う。
さて、今年の清流高校の演奏は、どうだっただろうか。まもなく、結果発表だ。
♪今日のワーク――――――――――――――♪
新年度から、半年がたったけれど、最初にみんなで決めた目標は覚えているかな?
コンクールに向けてその目標を感じながら練習できていたかな?
結果はもちろん気になるけれど、大事なことはその目標に向かって練習ができていたかどうか。僕はそれができていたら、結果がどうであれ評価に値すると思っているよ。もちろん、代表になれなければそこでそのメンバーでの活動は終了になってしまう。次の大会に行けるというのは、まだこのメンバーで演奏ができるという幸せなことでもあるんだね。
次の大会に進めた学校、おめでとう! だけど、代表になって終わりじゃないよね。次の大会に向けての気持ちをすぐ作っていこう。いつまでも金賞の余韻に浸っている暇はないよ。
残念ながら次に進めなかった学校も、素敵な演奏をありがとう! 結果は思ったようなものじゃなかったかもしれない。けれどこの半年間この曲に全てを注いで練習してきたことは決して無駄ではないよ。吹奏楽をやめてしまったとしてもここまで繰り返してきたその経験こそが宝物だし、どんな道に進んでもその経験は役に立つ。
もしこれからも演奏を続けていくとしたら、それこそそれは積み重ねの一つだ。
大人になってもしかしたらその曲をもう一度演奏することがあるかもしれない。その時、きっと今日のことを思い出すよ。
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