転生できなかった話

てんすぃ

第1話

外出するのは久しぶりかな

俺こと佐野涼太は恒例の本屋巡りのため神奈川のとある街で歩いてた。

もう分かると思うが俺はオタクと言うやつだ。そして高2である。

さすがに太ってはいない、運動神経も悪くない

まあ、学校ではぼっちだけど

そうボッチなんだよ、なんで?俺なんかっ悪いことしたん?

良くも悪くもノーマークってことだ うん そうだ、きっとそうだ。


なかなかに自分語りが長かったかも ごめん(謎の罪意識)


僕はのらりくらりと歩いていたわけだけど、そのとき、なんとなく目にとまる人がいた。


「あの、なんですか?」

簡潔に言うと、美少女がいて、ナンパされてて、その美少女はキレてた。


「女ぁ、かわいいじゃねえか、俺の彼女になる気はないかぁ?」

いわゆるヤンキーな感じの奴が、ナンパしてた。ヤンキーといっても僕の目からは本当にやばいタイプに見える。なぜかって? だって傷だらけだもん。

とは言ってもナンパは別にいいと思ってるのでスルーしようと歩き出すと・・・


「キモいです。死んでください。」


かの美少女、完全に言い切った!ってアイツ幼馴染じゃねえか?

いったんそれは置いておいて、なんだか怪しい空気になってきたな

ちなみに彼女は高校が別々になってから合わなくなってた四宮まつりである。可愛くなってて気づかなかった。 別に喧嘩とかはしてない。うん。


「お前、いいんか?それで」

何言ってるのかは謎。ただし、だいぶ怒ってるなこれ、俺のぼっちセンサーが反応している!


「マジで、消えてください」

さすがにそろそろ割って入ろうかと思ったら、


「お前、そのご機嫌な口を黙らせきゃなぁ!おれが目ぇつけたんやぞ?さっさとこっちこいや」


まさかのナイフ、おーい、それはヤンキーとしてどうなんよ

そして

「お前、ふざけるなよ」

どこかで聞いたことのあるセリフを言いながら、俺はそいつの後頭部に蹴りを喰らわした。華麗な前蹴り~すっと足を延ばし、つま先で目を刺すっ  こういうところはオタク特有の戦闘知識で学んだ。武術とかやったことない、マジで!


「っっ、んぐ?」

ヤンキー選手、倒れる。


「大丈夫か?まつり」

俺はなんとなく下の名前で話しかけた、本当になんでだろうと思う。


「?、、りょうくん!」

謎のイントネーションでまつりが言う。こいつ、中学の頃は何言っても生意気だった気がするけど、、、


「ああ、いかにも俺が涼太だ。」

俺は素で厨二病的な発言をしながらも素朴な平和な会話が始まった。そう思った。


「なんか、合わない間にきれいに・・・」


「り、りょうくんっっ!」

また名前呼ばれたよと思いながらも何やら切羽詰まったものを感じて、まつりの目線をたどった。

そして、

「っ!?」

何が起こったのか、その瞬間


…グチャァ 俺の背中から変な音がした。


「おいおい、おまえみたいな野郎がしゃしゃんな!」

ヤンキー復活。


「まじでお前、一旦死んどけ」

そっから先は自分でも何をしたかわからない。ただ俺は左足でヤンキーのつま先を踏みつけ、その足を軸に右足で腰にけりをくらわす。そのままの勢いで前に踏み込むと右肘で相手の頭を打ち、左手でそのよろけた頭を持ちながら、渾身の力でぶっ飛ばした。飛距離:約3メートル


これだけやれば、さすがにもう立てないだろう、というか死なないよね、アイツ?

「いやごめんな、まつり」

俺は振り向いてまつりにそう言おうとした、でもこの時初めておかしいと思った。

声が出ない。そして代わりに血反吐が出た。

・・・はっ?えっどういう

そう思うまもなく体が地面に傾く、痛い、頭打ったかなぁ

ぼんやりしてくる頭でそんなことを考えながら

「すぐっうぇ、、・たう、」

声にならない声を吐き出した。

さっき、俺は背中刺されたんか。


「りょうくんっ死なないで、りょうくん?ねえ」

俺は死ぬのか?このまま なら最期に

{まつり、かわいくなったなな}

メタいけど、そう言いたかった

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