第13話
いつもより邪念が多かったせいか、確認した腕時計の針はお昼の12時を少し過ぎていて驚いた。
急いで遮光カーテンを閉めようとしたとき、ちょうどグラウンド中央で集まっている集合体を目にしてギョッとした。あれは、間違いなくバスケ部だ、都原先生のあの目立つジャージの色ですぐ分かる。
このまま行くと間違いなく鉢合わせする、どうする。
図書室を施錠しながら、念入りに職員室までのルートを考える。遠回りになるけど左の階段から行けば下駄箱からは遠い、職員室もちょっと遠いけど、なんとかなるよね、よし。
足音を出来るだけ立てないように、尚且つ、耳を澄ましながら慎重に降りる。
いい感じ。今のところ順調で思わず鞄の取っ手を強く握り締める。
「加賀くん、好きです。付き合ってください」
次の階段を降りようとぐるっと回ったとき、目を疑った。加賀くんがいる、しかも告白されてる。
そんな予想もしていなかった光景に急な進路変更でも体はなんとか言うことを聞いてくれて、二階の廊下になんとか逃げ込めた。もう、このまま全速力で職員室に直行できる、急げ。
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