第10話
10
ここは都内のとある場所。
そこで数人の人達が集まっていた。
「なるほど…やっぱりあそこのダンジョンは変化してたのか。」
「ああ、そしてあそこのダンジョンボスは最後の一撃を使った可能性が高い。」
「まじかよ!初心者用ダンジョンでそんなの今まで無かっただろ?流石にこのことは広めた方がいいな。」
「もちろんそうするつもりだ。ただ、その前にギルドと話し合うつもりだ。」
「そうか。そういうのはお前に任せるぜ。」
「当たり前だ。お前が来ても何も変わらないしな。」
「しかしギルドが公表するまではどうするつもりです?」
「そのことは考えてある。俺たちのクランの誰かを常に初心者用ダンジョンに行かせておく。そうすれば何かあったとしても対処はできるだろう。
最後の一撃を使い始めてくるようになったとはいえまだ初心者用ダンジョンだ。俺たちぐらいなら誰でも対処はできるだろう。」
「確かにそれもそうですね。」
「ならこの話は一旦ここまでにして次の話だ。次は――」
――――――――――――――――――――
クランというのは探索者ランキングの上位がマスターを務めるパーティーの集まりのようなものだ。
クランマスターになるには大前提として探索者としての能力が高いことが求められそれにギルドや周りからの評価や実績などが認められればギルドからクランを作ることを許可される。
そしてクランの恩恵としてただ単にパーティーを組んでいる時よりもギルドからの依頼が多くなったりなどの恩恵がある。
依頼というのは
他にもいろいろ恩恵はあるがここまでにしといて、なぜ俺がこんなことを考えていたかと言うと先日のことについて聞きたいととあるクランから招待が来たからだ。
そのクランは朱里さんに依頼をしたクランらしく今日はそこのトップからの招待だ。
指定された場所へ着くと俺たちは受付の人に話をしてその人が待つ部屋まで向かった。
ノックをして入っていいと言う声が聞こえたため俺たちは中に入った。
中に入るとそこにはいかにもという感じのスーツを着ている男がいた。
「よく来たね。私はこのクランのマスターを務めている加江田劉表だ。君たちのことは中平くんから聞いているよ。」
「では改めて自己紹介を。私が一応このパーティーのリーダーをしている夢野忠時です。」
「私が絹井真理です。」
「ふむ。君たちは礼儀がいいね。ではそこの席にかけてくれ。」
そう言われた俺たちは加江田さんの向かいにあるいかにも高そうなソファに腰を下ろした。
「さて、早速本題に入るが今日君たちを呼んだのは君たちが体験したあのダンジョンのことについてだ。」
「はい。」
「では早速質問なのだが道中でなにか違和感を感じたということはあったかね?」
「私は特になかったです。……と言うよりもあれが初めてのダンジョンだったので強さがどうということはよく分からなかったが正しい言い方かなと思います。」
「絹井さんはどうかね?」
「私も特には…強いて言うならボスが生み出したゴブリン亜種の方が若干強く感じた気はします。それも組み合わせとか1人で対応してたってのはあると思いますけど…」
「なるほど。……ありがとう。では次にボスの最後の行動についてだがなにか覚えていることはあるか?」
「私は…特にはないです。」
「私はあの後も意識はあったんですけど1度も攻撃はされませんでした。たしかに今思うとなんで攻撃されなかったんだろうと思います。」
「その事か。それはあの攻撃は最後に自身にトドメを指した人に向かって発動するようになっているからだよ。文字通り最後の一撃というわけだ。」
「なるほど。ならあれは私を狙ったものだったってことだったんですね。」
「そういうことだ。」
このことを知れて真理も少し気が楽になるといいんだけど…
その後も俺たちは何個か加江田さんに質問をされては答えることを繰り返した後ご飯を奢ってもらい解散となった。
「今日はありがとう。今後ももしかしたら呼ぶことがあるかもしれんからその時は応じてくれるとありがたい。」
「こちらこそご飯を奢っていただきありがとうございます。その時は必ず応じます!」
「それは良かった。なら気をつけて帰るといい。」
そう言って俺たちは解散した。
帰り道
「真理。やっぱりあれは真理のせいじゃなかったんだから気に病む必要は無いからな。」
「うん。でも私も守れなかったから…もっと強くならないとね!」
「そうだな!」
「それで俺は明日ギルドに行ってこの状態でどうすればいいかとか聞きに行くつもりだけど真理も来る?」
「うん。私も行く。」
「そっか。ならまた明日ギルドで集まろう。」
「わかった。」
「じゃあまた明日。」
「うん。また明日ね」
そう言って俺達も解散した。
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