After 異人館のユダ殺人事件
月島からの事件後、数日が経った後の日曜日、突然音沙汰がなかった真莉から電話が来た。
「拓磨、今日のお昼予定ないでしょ!
連れて行きたい所があるから、午後1時に駅前集合ね!」
と、真莉は一方的に用件を伝えると電話を切った。僕は、いいも悪いも何も言ってないのだか……まぁ、本当に用事がないからいいんだけど……
僕はTシャツに短パンと言う、かなりラフな格好で駅前に立っていると、お約束のビートルが悲鳴をあげながらやって来た。
真莉にしては、珍しくシックな白のワンピースと言う、普段の格好にしては、随分フォーマル姿だった。
「拓磨、あなたその格好で行くの?
随分勇気があるわね」
Tシャツ、短パンのどこに勇気が欲しいのか、サッパリわからなかったが大人しくビートルに乗った。
真莉は、鼻歌を歌いながら高級住宅地へ向かい、ある一画に車を停めた。
そこには……見るからにもいかにも高級そうなレストランで
「ル•シュミエット」
と、フランス語の筆記体で書かれていた。
真莉は、臆面もなくレストランに入り僕も、場違いな気まずい気分で付いて行くと顔馴染みの人が出迎えてくれた。
「嬢ちゃん、坊主!
よく来た!
ようこそ、我が城へ!
お前たちが記念すべきお客さん第一号だ!」
月島異人館のコック、国木田さんが満面の笑みで迎えてくれた。
「一歩間違えれば俺が犯人にされたかもしれないからな!
今日は、そのお礼だ!
思う存分食べてくれ!」
そして、僕は国木田さんと真莉に
一流フランスレストランにTシャツ短パンで来る、ヤバい奴と散々からかわれながら、料理を口に運ぶ事になった。
---- 時が経った今振り返っても、自分でも笑えてしまういい思い出となった ----
異人館のユダ殺人事件 【了】
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