世界自然競争
テヴェスター1999
一つの羨み
世界自然競争...
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ある事、美しく咲き誇る花々の隅っこに黒い花が咲いていた。
真っ黒な、暗闇の様な、その黒い花の色は「醜い」とされて、他の色とりどりの強いお花とは隔離された。
黒い花はそれでもただただ隅っこで、自然の土で育った。
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ある事、黒い花は高く、広くどこまでも育ち、その生命の根から強い生を見せて他の花に見せつけた。
他の花はその真っ黒に抵抗するすべもなく、色を黒に変えてゆく。
そのうち、その黒い花は生命を広めて庭を制覇した。
黒い花はどこまでも広がり、庭の外、道の中、雑草の草むら、コンクリートの壁、建物の中、部屋の中へ、人間の臓器に広まり、やがては赤い血管の中に侵略して、すべてをその花の色のように黒くて汚くした。
それで、世界は黒だった。
黒い花は人類を制覇して、彼らの一生を休ませた。
世界自然競争 テヴェスター1999 @tvstar_1999
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