評判のよかった前作
最初に軽めというか、香る程度のネタバレとしましては無料で見られるpvはかなり終盤まで移しちゃってるので、あれ以上に目新しい映像ってのはあんまりないです。
加えて、これはあくまで個人的な感想ですが、いわゆる映像美のような見て楽しむ的な映像は、あの有名な階段のところぐらいなんじゃないかなと思います。
それらを踏まえた上での感想、何年も前にことなので記憶は曖昧ですが、概ね満足でした。
ジャンルとしてはブラックというよりもダークなジョークで彩られた感じ、それこそ『犯罪界の道化師』が好みそうなコメディっぽい何かです。これで笑ってるのを人に知られたらドン引きされるレベルな話が散りばめられてます。
例えばオープニング、主人公が屋外でピエロな仕事をしていると、悪ガキやってきて看板かっぱらっていく。それを追いかけて裏路地へ、待ち伏せ返り討ち、ズタボロで転がるところへゆっくりとタイトルロゴ降りてくるところなんかはアメリカのカートゥーンアニメにおけるコミック表現を思わせます。
ただあれは、仲良く喧嘩してる猫とネズミや、悪いネコたんと実は男の子のカナリア、ワイリーコヨーテとロードランナーみたいにアニメ調だから許されるのであって、実写の人間がとなるときついと感じる人も少なくないのかもしれません。
ぶっちゃけ、経験ないですが、イジメを楽しむ心情に近いと思います。
そこから続く病院やその他のシーン、そこだけを単体で切り取れば動画で笑いが取れそうなものの、よくよく考えたり前後の文脈加えたら笑えなくなるのが目白押しです。
ぶっちゃけ映画館で一人で爆笑してるの微妙に恥ずかしかったです。
そして転機、初めての殺人、ただ急に変わるわけでもないです。
相変わらず落ち続ける生活のなかで小さいながら評価される、劇中の観客のウケがよかったのが殺しだったのだというのも皮肉効いてました。
そしてどんどこどんどこ悪化して行き、死人も増、落ちるところまで落ちて、最後には史上最悪のヴィランが誕生、となるわけです。
ざっくりといえば前半は真っ当に頑張ってた主人公がずっといじめられてて、ある日とても悪いことをしちゃったらそっちの方が褒められて、スッキリしちゃってあーあって感じですかね。
なのである意味でこれは復讐物語です。
散々いじめられてた人が、善人を辞めて悪人になる。その結果幸せ、とは言わないまでも以前より幾分マシになるってプロットは、刺さる人には深く刺さるものかと。
実際、一時期この映画に触発されて犯罪起こす奴がやたらと増えて、アメリカでは映画館に私服警官まで配置するほどだったと、日本でもハロウィンでやらかしたのありましたし、悪い意味での劇薬です。
構図としては異世界転生に近しいかと、ただこの映画がチートではなく銃だというのがお国柄ですが。
ここまで良い事ばかり書いてきたので悪いところを、ネタバレになるかもしれませんが、正直後半が緩い、というか何か練れてない感じがします。
おそらくこの映画で一番有名な階段のシーン、ご想像通り最後の方なのですが、あそこまでいってまだ微妙に道化師としての完成度がガバくて、最後の大一番の舞台で、頭に浮かんでるみんなの完成系から二歩か三歩届いてない醜態を晒してたりします。あそこまで盛り上げたならちゃんとやれと。
あと本来の主人公である蝙蝠もチラリと出てきますが、時系列的にこれだと年の差やばそうで、そこら辺の整合性大丈夫? 心配です。
それと最後の最後、クライマックス、決定的なスマイルを刻めるチャンスを作っときながらそれ無視して終わらせるってのはかなりの消化不良です。裏話では主人公役が役作りに絶食し続けて苛立ちやばくて撮影続けられなかったとかなんとか、にしてももうちょっと頑張れば、もったいないと思いました。
ただ小難しい考察系ではそれらにも意味があるとかないとか、あるいはそれらをまとめるための続編なのかもしれません。
総論としては『
世間は真っ当となっていても主人公にとっては悪だし、その主人公がいじめられてるのを笑えば己の悪が暴き出され、後半引き込まれれば悪に飲まれる。
原作コミック同様に人の内心にある悪を暴き出そうとする愉快犯めいた危険性があります。そこに痺れるだけに留めておいて、引き込まれないようにご注意を。
ちなみに私が好きなシーンは最後の最後、スタッフロール前の最後のジョークだったりします。
それと蛇足、何かはじめは原作なしでやるつもりがお金集まんなかったからどこかのツナ食ってるトカゲよろしく改変したとのこと、なので単体で見ても十二分に楽しめる映画でした。
ここまでざっくりとした感想でした。
その上で続きどうするのか、正直何やるか想像ついてないです。
pv見ている限りそんなそんな派手さはないし、宿命の蝙蝠はまだっぽいし、ミュージカルだし、評判悪いし、不安ある中でそれでも楽しみです、
次の感想はできるだけ早めにあげたいと思います。
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