第一章 じいちゃんとさつき
第1話
さつきは男の子だ。さつきって名前、女の子みたいで恥ずかしいといつも思っていた。けれど、じいちゃんが変えてくれた。
「一人一人違っていいんだよ。じいちゃんなんて、ほら、ピンクのスウェット着て運動してるだろう?一人一人違っていいんだ。お前は、じいちゃんの宝物だ」と。
子どもの頃は、よく虐められてたけど、じいちゃんの言葉でなんとかやっていけた。
でも、じいちゃんは去年、倒れた。唐突だった。じいちゃんには可愛がってもらっていたので、一生懸命、母と妹の桃子と一緒に介護した。父は介護しなかった。さつきは、そんな父が嫌いだった。
1年後、じいちゃんは亡くなった。さつきは母と一緒にお通夜の配膳を手伝った。桃子はまだ小さかったので、寝ていた。
霊柩車にじいちゃんを乗せ、父が喪主で、父らしく最もらしい言葉を吐いていた。
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