障害年金暮らしのお小遣い事情
星咲 紗和(ほしざき さわ)
本編
私は障害年金を受給しながら生活しています。日々の生活は、決して楽ではありませんが、工夫しながらなんとかやりくりしています。障害年金は、日々の生活費や病院での治療費に充てられ、収入のほとんどを占めています。そんな限られた収入の中で、少しでも楽しみを見つけ、心穏やかに過ごせるようにするために、予算を細かく組んで、無駄を省く生活をしています。
障害年金で暮らす中で、日常的な支出としては、家賃、光熱費、食費、そして通院のための交通費が主なものになります。さらに、定期的に受ける治療費や薬代もかかるため、何か贅沢をする余裕はほとんどありません。そんな中でも、少しでも貯金をすることを心がけています。将来のことを考えると、何が起こるかわからない不安がありますし、何か大きな支出が必要になった時に備えておきたいという思いがあります。
とはいえ、ただ生活を切り詰めているだけでは気持ちが疲れてしまいます。そこで、私にとっての「お小遣い」の役割がとても大切です。お小遣いといっても、障害年金から取り分けるのではなく、就労継続支援B型事業所で得た工賃をその役割に充てています。私が通う事業所では、作業を行い、その報酬として工賃が支給されます。この工賃は決して高額ではなく、これまでの勤務時間では、工面が難しいと感じることも多かったです。
このお小遣いは、私にとって、外での食事や日用品の購入、そしてカラオケなどの趣味に使うためのものです。特にカラオケは、私の心のリフレッシュ手段の一つです。月に1回はカラオケに行くことを楽しみにしており、昭和の歌謡曲やフォークソングを歌って気分をリフレッシュしています。この時間があるからこそ、日々の生活の中で少しでも気持ちが軽くなり、次の日も頑張ろうと思えるのです。
ですが、工賃が限られているため、この楽しみも頻繁にはできません。お小遣いの範囲でやりくりをしなければならず、食事や日用品の購入に使うお金を考えると、カラオケに行くのも我慢する日が続くこともあります。そんな時は、次に行ける日を心待ちにして、日々の楽しみを持ちながら過ごしています。
最近、就労時間を少し増やすことが決まりました。これまでの短時間勤務では、得られる工賃が少なかったため、生活に余裕が持てないことが多かったのですが、時間が増えれば、その分工賃も増えます。お小遣いに少しでも余裕ができれば、外食の頻度を少し増やしたり、カラオケに行く回数を増やしたりできるかもしれない。そう考えると、少しだけ生活が楽になるような気がして、未来に期待を持つことができています。
もちろん、時間を増やすことには不安もあります。働く時間が増えることで、身体的にも精神的にも負担が増えることが予想されます。特に私の場合、体調が良くない日や気分が落ち込む日があるため、毎日安定して働くのは簡単ではありません。これまでも、しんどい日には休むことも多くありました。それでも、工賃を増やすためには頑張らなければならないと感じています。
また、働く時間が増えることで、心理的な負担も大きくなります。私のように発達障害やうつ病を抱えていると、日常の生活だけでも気を使う場面が多いです。ちょっとしたことでも神経を使い、疲れてしまうことがあります。そのため、仕事をこなすことができるのかという不安は常にあります。しかし、やると決めたからには挑戦してみようと思っています。
お金のことも大切ですが、健康を第一に考えながら、無理のない範囲で働き続けたいと思っています。無理をしてしまうと体調が悪化し、逆に働けなくなってしまうかもしれないという恐れもあります。だからこそ、バランスを見ながら、自分の体調と相談しつつ、少しずつ生活を良くしていけたらと考えています。
今後、時間の増加が安定すれば、お小遣いに余裕が生まれ、少しでも好きなことに時間とお金を使えるようになるかもしれません。それは私にとって、大きな希望です。限られた収入の中で、自分の楽しみを見つけ、生活に彩りを持たせることができるかもしれない。そう思うと、今は不安よりも希望の方が少しだけ勝っているような気がします。
これからも節約を続けながら、必要なものだけにお金を使い、無駄な支出を抑える生活は変わらないでしょう。しかし、工賃が増えたことで、もう少しだけ自分の楽しみに投資できる。そんなささやかな贅沢を楽しみながら、毎日を少しでも充実させたいと思っています。
障害年金で暮らすというのは、決して楽ではありません。限られた収入の中で、どうやって生活を成り立たせるかという工夫が求められます。ですが、その中でも自分なりの楽しみを見つけ、やりくりしていくことで、生活に少しでも豊かさを感じることができるのです。
私はこれからも、障害年金と工賃を元に、少しずつ自分の生活を良くしていくために頑張っていこうと思っています。そして、無理せずに自分のペースで、日々を過ごしていきたいと思っています。少しでも自分らしい生活を送るために、今は前向きに進んでいくつもりです。
障害年金暮らしのお小遣い事情 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92
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