ある二人の会話と、そのうち片方の手記

宇宙(非公式)

手記

 私には、「私には小説を書く友人がいるんだ」と言わせたいから、小説を書き続ける友人がいる。

 彼はクリスマスが大好きで、それは彼が雪を愛しているのも一因なんだろうけど、とにかくクリスマスになると彼はパソコンの前から離れなくなる。小説の執筆に勤しむためだ。

 クリスマスが好きなら、全身全霊で享受するために執筆をやめればいいのに、と彼に提案したこともあったが、彼は

「クリスマスの雰囲気は、パソコンの前でも感じ取れる。なら、クリスマスに浸った状態で書いた小説の方が、絶対にいい」

 私はやっぱり、彼のことが分からない。


 そんな彼と今日は本屋巡りをした。未知との触れ合いもなかなか楽しく、また、既知が多くなった今でも、やはり彼といるのは良い。

 私は彼のことが好きだ。この文章を書いた時に、思い切り息を吸ってゆっくり息を吐いた時みたいな、沈むような感覚に陥ったのがいい証拠だ。

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