第2話 そっくりな君
四月、彼女にそっくりな娘が入部してきた。雰囲気、見た目。何もかもが彼女にそっくりだった。しかし、彼女とは、縁もゆかりも無い。呼び間違える事も、しばしばあった。彼女がいた日々が蘇ったようで、幸せだった。けれど、君は彼女ではない。その事が受け入れがたかった。
君は、言った。
「霊感があるんです。」
耳を疑う言葉だった。僕は言った。
「死者は見えるかい?」
「ええ。勿論。」
君が言うには、彼女はずっと部室にいる。らしい……。手を繋ぐなりして、君に触れれば彼女が視える可能性がある。そんな事も、言った。夢のような話。僕の心に光が灯った。
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