第3話 異次元の力が暴走する
「こんなこと、今までなかったよ…」
桜は呆然と立ち尽くしていた。モグたち異次元生物の増加に伴って、異次元の裂け目が再び広がり始めていたのだ。しかも、これまでのような小さな裂け目ではなく、今は校庭の半分ほどを覆うほどの巨大なものになっていた。
「モグ、一体どうなってるの!?」
モグは桜の隣で裂け目をじっと見つめていた。彼自身も何が起こっているのか理解できていない様子だった。仲間たちもみんな異次元の力を感じ取って不安そうに集まっている。
「まさか…このままじゃ異次元の力が学校全体を飲み込んじゃうんじゃないの?」
桜は冷や汗をかきながら、これ以上裂け目が広がるのを食い止める方法を考えようとしていた。だが、どうすればいいのか分からない。モグの力ではこの暴走を止めるには限界があるようだ。
「そうだ!もしかして、裂け目を閉じる方法は他にもあるかもしれない!」
桜は急に閃いた。これまでモグが異次元の力を操っていたが、今のような大規模な裂け目に対応するには、もっと大きなエネルギーが必要だ。もしかしたら、学校中に散らばっている異次元の力を集めて、モグたちの力を増幅できるかもしれない。
「モグ、私についてきて!」
桜はモグを連れて、学校中を駆け回った。異次元の力が漏れ出している場所を探し、そこから少しずつエネルギーを集める。モグも必死にそれを吸収し、彼の体から光が少しずつ強くなっていった。
「これで、どうにかなるかも…」
桜は期待を込めてモグを見つめた。モグは全身から光を放ち、再び裂け目に向かって進んでいく。仲間たちも一斉にモグに従い、裂け目を囲むように集まった。モグはその中心に立ち、裂け目に手をかざす。
「モグ、がんばって!」
桜の声に応えるように、モグは全力で異次元の力を制御し始めた。裂け目は少しずつ縮み始め、周りの空間が落ち着きを取り戻していく。
「やった…!」
桜はホッと息をついた。しかし、完全に安心するのはまだ早かった。裂け目が完全に閉じられる前に、強い光が一瞬放たれ、そこから何かが飛び出してきたのだ。
「えっ!?何これ!?」
それはこれまで見たことのない、異次元の新たな生物だった。モグたちとは違い、巨大で威圧感のある姿をしている。桜は驚きのあまり言葉を失った。
「これ…どうやって止めればいいの?」
新たな脅威が目の前に現れた今、桜とモグはどう立ち向かうのか?異次元の力が暴走する中、学校全体を巻き込む大混乱が再び始まろうとしていた――。
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