君と歩く

れい

連絡は私からした。

昔から好きだったって言いたくて、伝えられないまま疎遠になりたくなくて。

面と向かって打ち明ければ何かいいように変わるんじゃないかと期待してデートの約束をした。

デートだと思っていたのは私だけかもしれないけれど、彼はこまめに連絡を返し、その度に私は喜んだ。


少しでも可愛いと思われたくて、いつもより早く起きて時間をかけてメイクとヘアセットをして。決めていた服を身にまとって。

今日は打ち明けるんだ、と、そう覚悟していたのに。

家に帰ってきて思い浮かぶのは楽しい記憶ばかり。

また、言えなかった。

ドロドロとした気持ちを抱えて、本人に言えなくて、この馬鹿みたいに重たい感情の捨て場さえ知らなくて。

今日の記憶を繰り返し繰り返し頭で流して、刻みつけることくらいしかできなかった。

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