第37話

 ようやく揃ってしまったのが今の状況である。それなりに自分たちなりの必死を見せていたのだ。ようやく手に入れた一品がそれぞれあるのが現状。我々の求めているのが世界征服というのであるはずもないだろう。現実すら不確かなものになってしまうのであればそれを望んでいる。

 不幸すら幸福であると押し付けてしまう、そんな現実は誰も望まない。だというのに我々はそれぞれに向けてということをしてしまっている。気にしだしたら終わりだよ本当に。

 目的が違う者達がこれを手段として利用するということでそれぞれ集まっていったのだから纏めている誰かというのは大変な気苦労を背負わされているわけだ。面倒な感じになれば涙を流したくもなるというモノ。

 それをやられているやつには同情を禁じ得ない。我々がどこに集まっているのかというのを思い出してみればかなりの苦労をさせてくる場所だということであるので思わず顔を顰めてしまう。

 遠すぎるこの地点においては走り出せば地面にへと脚を叩きつける。そうすればベキリと凹んでしまうことになる。それで視界のど真ん中に虚空にへと続く大穴が開いていくことになる。そこにへと大きく元気に飛び込んでいくことをしていった。

「残念ながら君にそんな元気になんて希望を抱えていられるほど呑気なお前でもないだろう。それこそいつくたばってしまっても一切合切まとめてであってもおかしくないくらいには苦労をさせてしまっているのを、さては自覚していないらしいな。全く以てデオードさんもお忙しいくらいには今の事態はかなりおかしなことになっているらしい」

 そんな風にして話しかけて貰えることにはどこか苛立ちも覚えること。正直言って集まりの中で括られてしまうのはどこまでに嫌になってしまうくらい。ただそれにへと気づかされてしまえば自己嫌悪にも陥ってしまう。

(気に入らない気に入らない誰が殺して殺されてなんていうのを進んでやっているのかよ。そんなのは狂乱者でしかない。そうなりたくはないに決まっている)

 だがそう考えてしまっているデオードが既にその狂乱者にへといつ踏み込んでしまうかもわかりはしない不安定な世界にへといるのを自覚することすら出来ていない。

「俺だって何気に心配なんだよ。お前さんに消えてもらうのがどうしても心苦しく感じるからこそ私はお前とどこまでも付き合っていくのをしてやるから」

 こんな気軽に言ってのけるのだから全くおかしくなってしまうくらいだ。何故かあの場所にへといた彼の、彼女の相手をさせられてしまったのだから緊張ばかりしてしまう。

「冗談ではない。あんなのを相手をさせるのに他者を巻き込みたくはない。あれは不条理の権化だ。不確定な事象を多く考慮させてくるのがどこまでも嫌になってしまうのだから単独での、タイマンで殴りだした方が一番わかりやすい」

「おぉ、あの獄炎まで行使を可能となった君であればそこまでの域になってしまうわけかよ。気にしだしていたら終わらない。我々としては心強い仲間であるのだから」

「それこそ冗談でもない。エリザベスがいうように私は獄炎を放ってしまうことが可能となっている。だが結局は勝てる者だって多くはない。比べる対象というのが大きすぎるのが要因なのだろうがそんなモノなど気にしていたら生きていられるはずもない。仮想敵をするのであればその全ての盤面を構築してこそ。負けるわけにはいかないと考えるのは誰も同じなのだから必死にあらゆることを想定して」

「語りたがりもいいがそのすぐそばを通る誰かさんの邪魔にならないようにしなければいけないぞ。でなければ迷惑千万だ。頸を刈られてしまっても文句は言えんぞ」

 エリザベスと呼ばれた男がデオードにへと忠告というか声を掛けてきていた。それですぐさまデオードの後ろを通ってくる誰かというのが存在している。その存在というのが殺戮ばかりのこの世界においてもかなり異質な気配となっていて何度見ても慣れてはくれない。思わず怪訝な目を向けてしまうのだがそんなことなど毎度のことなのですぐさま冷静に後頭部を軽く叩けばすぐさま切り替わってくれる。

「あぁお前らも来てたのか。デオードの方は獲物無しか。まぁそもそもお前の担当というのはかなり苦労もあることだし。実現させてくれるとは思ってもいない。どうせ時間が解決する」

 そう言って慰めてくるココロには感謝のしようもないが所詮は同じ手段を利用するために集まった集団でしかない。そんな仲で言葉を受け取ったとしても悔しいと感じて肩身が狭くなるばかりでしかない。

 狙っていたのはその全てだ。誰もが勝てるわけではないとよく知っているのにできるだけ自分でやらないようにとしてしまった………………わけでもないか。そもそもあのガイアールが自分の対面にへと立つなんて想像もつかなかったことだから。

(あの時点で心が折られかけている所で闘えていた自分を褒めてやりたいくらい。だが結局相手がいることなので自分たちがそれになろうとしていない時点で責任逃れとでも言われるのだろうが)

「我々がこの作戦を実行している以上はまず一切の反応すらも見せてくれずに涙が出るくらいに終わってしまうのだが。それを認めたうえでの作戦であると誰もが納得していたわけだ。私にばかり責任を乗せてくるのはご勘弁願いたい」

「饒舌なことで。だが一番責任を押し付けているのはお前自身ではないのか。ずっとずっと後悔をしてしまっているとなにかしら置いてきてしまったものでもあるのではないのか」

「ブーレイトンさん勘弁して欲しいですよ。そういう貴方はどれだけの成果をしっかりと持ち帰ってきたのか見せて欲しいものですが」

 そうして求めてみれば出してくるのがニンゲンの眼球であるのだから恐ろしいことこの上ない。

 だがこれが求められているのだから我々としてもやらねばならない。そう決めてしまったモノだけがここに立っているはずである。

「綺麗な形ですね。それで生きていられるのだから対象もよっぽど頑丈としか言いようがないですが」

「そうなんだよなぁ。だがその際に不思議な感覚というのがあってさぁ、それが危機感とでも呼んで差し支えない物で気になってしまう。恐ろしいというのは未知の現象に遭遇してしまった時というのを心底味わったよ。なんだよまるで別の魂が入り込んできたというかあれは生えてきたというのが正確か。あれって一体何だったんだかわかりはしないってえの」

 ブツブツとブーレイトンさんが語っていくその愚痴とも聞こえるそれであったのだが聞かされる者達にとっては悲しいくらいにどーでもいい話に感じてしまう。別にもしかしたら大事な内容かも知れないのだがどうしても(´・∀・`)ヘーで済ませてしまうくらいには興味がない。

 だがその全員を咎める声が聞こえてしまうのであれば特におかしなことでもない。

 本当にこの集まりを心配しているのは本当に少ない事実か。誰も興味はないとは言わない。その乱雑な対応というのを、いくら信頼をしているからといってもぶん投げることをしてきた大馬鹿というのを咎めてしまうのはその苦労を背負わされただけの理由があるからだ。

「そんな雑な対応だからこっちにまで面倒な処理を押し付けてくることになるのだというのを自覚してもらいたいものだ。ただただ暴れるだけでは誰にだってできるというのに、対象の外側に何かしらの異常が出たからといってそれを放り投げてミサイルで墜とそうなんて考える馬鹿はよっぽど………………よっぽど………………別におかしなことでもないか。不安なモノであれば処理は速やかに正確に行うのが正答であり下手なことをせずに自身の安全を第一にするべきと」

 そしてやってきたその誰かというのは手元にて握っていた真っ赤な槍をグルグルと回していくことをする。そうすればその形状というのは自然と元のカタチにへと戻ることをしていた。それは赤黒く染まってしまっている心臓でしかない。この誰かしらの心臓というのを台座にへと乗せていくことをする。

「結局特にいうことないんじゃないかよ。それは何も言うことがないのですが。せめて文句の一つくらい残してくださいよ。春炎はるえんの考えだっても少しは時間かけて冷静になってからにして欲しいんですが」

 エリザベスが春炎はるえんと呼んだ彼に眼差しを向けることをする。その先にあることなんていうのはやはり荘厳な装飾のされている台座である。

「それにしてもまだ戻ってきていない連中だってもいるわけか。いつ戻ってくるかも分からないがその前に出来ることは済ませてしまうのが一番楽だろうしな」

「そういってくれるのは誰にとっても助かるのだろうが悲しいくらいの現実にへと叩きつけられてしまうぞこそは。魔法陣の展開というのを目指してみればそれは下手をすれば壊れてしまうことを忘れてしまうわけにもいかない。欠けた状態で行うのはリスクを考慮すれば待つのが最善ではないのか。それでも準備だけでも整えていたのは台座くらいのものであるのに」

 春炎はるえんが語ってくれる内容というのは感心しかしてやれないのだが。事実でしかないのでそれに反論などというのはさせてもらえはしない。

「まぁそういう春炎はるえんだって獲物をあたかも自分のものであるかのように扱っているのだから傍から観れば大した差ではないって。五十歩百歩とはいってもその方向が違うだけ面倒なのが増えてしまっているだけなんだが」

 そして街中にてあちこちの店舗にて入っていって強奪していった中で手に入れたそのカップ麵というのをお湯を入れて啜ることをしていくエリザベスだ。それをすぐさま空にしてしまえばこれをデオードにへと渡してしまう。これをしっかりと素直に受け取ってみればポンッと放り投げてしまうことをする。そして放り投げたそれというのはすぐさま燃え上ってしまうことになる。

 これをしっかりと眼にすればすぐさま次へと手を伸ばしていく。それは生肉であるのでガチガチとあまり噛まずに呑み込んでしまうエリザベスである。こうでもしなければ体調不良となってしまう危険もあるから。へッ?別に丸呑みしたってその危険は消えはしないだろうって。胃にまでたどり着いてくれるのを願うしかないばかり。そしてその勢いはしっかりと備えているつもりだから。

「とはいえまともな人間がこんなことをしないのは当然か。だがそれこそ気になってしまうのはどうせ貴方がただの人間でしかないというのを思い知らされるというだけか」

 今までのことを思いだそうとも努力してみれば感慨深くをなってくる。自分たちの行っている行為というのがどれだけ他人の尊厳というのを破壊し尽くしているのかとは散々に積み上げてきたことだ。積み上げてきたというよりは他人がその人生の全てを費やして積み上げてきたそれを一瞬にして破砕してしまっているということになるのか。

 そう思いとどれだけあくどいことをやっているのか。恐ろしいとかでは済まないよなぁ。

「じゃあそれを加速させるためにあいつらを迎えにいったりもしますかねぇ」

「やめておけって。下手に妨害を討つのはリスクというのが高くなってしまう。生きたいのなら行ってこいとしか言えないがそれで邪魔をしてしまうのが一番怖いことなんだがかなぁ。顔を出した瞬間にそれを潰されてしまうのは誰だっても避けたいところだろう」

 この言葉というのは凄く自分たちにも心当たりがあるのでどうしても返す言葉というのが無くて困ってしまう。後ろめたくて顔を向けられないというのはこのような場合のことを言うのだろう。

 そこでこの場所にへと声が届いてくることになる。それが既知の存在というのはよく知っていることだ。彼らにとってもこれは不安が胸から飛んでくることになるのだが結果としてその不安はあっていたらしい。

『そちらはかなり集まってきているな。悪いがこちらは限界を超える気で闘わなければいけないことになった。モノが用意できなければ申し訳ないとも思うのだがそのために全力で戦うことを決めたのだからきっと叶うのだろう。死者とはならないことを祈って貰えれば幸いだ。ではな』

 これは明らかに遺言としか受け取れない。悲しい事実というのは所詮は他人事だともいうのにこれだけ心が重たく感じてしまうことなんだが。というか他人事では済まないのは明確に示されている。彼の仕事が完了してくれなければこちらに集まってきている儀式というのも始められないのだが。

 だがこれは送ってからしばらく経ってこちらにまでたどり着いたものであるのだと聞こえてきた直後に理解をさせられてしまう。つまりはもうスデに存在していない可能性があるということだ。というかこの声を放ってきた者の性格というのを考慮してみればこれを送った直後にそのままやられてしまっていてもおかしくないくらい。強引にでも納得をさせてくるだけの恐怖すら感じさせてくる。

 みんながこれからどうしようか、計画の見直しすらもしなければいけないとも薄情とも冷静とも思える考えに移行している者だってもいる中でガチャリとドアノブが回された音が聞こえてしまうことになる。

「いやぁ、かなりのリソースを割かれることにはなったけれど何とか達成出来たkらよかったよかった。皆この僕の苦労を讃えてくれ」

 そしてやってきたのは先ほど声を届けてきた存在か。マントを翻してその姿を隠しているというのにそれを見えていないというのに見せてくるなんていう付いてこれない行動をしていたのだ。

「なんで来ているのよ。さっきまで死にかけみたいな感じだったのにそれで生きているなんて不思議な感じがして仕方ないんだけれど。理解が追いついてくれないのですが」

 これはこれは心底戸惑ってしまう気分である。今までやってきたことに対しての報いが来てしまうことに対しての心配なんていうのはしていないがそれによって作戦に支障が出てしまうのはかなり恐怖ものである。だがそれでもあぁ多分ダメだろうなとか思っていたらちゃんとこの場に現れてくれたのでびっくりしてしまう。

「なんて言ったらいいのか………………そのそれよりも優先するのは、ちゃんと獲物は確保していたんだろうな」

「ほら」

 言われるがまま取り出してくるのは本当に丁寧が過ぎるのでびっくりした。余裕が過ぎる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る