第33話

「主任!!!!きょ、矯正監きょうせいかんの現場入りです!!」



「急いで隊列を組めっっ!!」




主任の男の額から流れ落ちる大量の冷や汗。



異常な程に慌てふためく看守たち。



ブーツのぶつかる音が足首を伝わり彼らを一層震え上がらせる。



今宵鳴り響くサイレンの音は異常をきたしていた。



月も暗灰色の乱層雲に掻き消され今にも稲光りを放ちそうな夜空。



最下層に繋がれる重罪人の脱走は何人の看守が折檻の犠牲となるか─────。

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