第20話

「あなたのあの時の優しさは僕に対するものじゃない・・・・あの人のための優しさだったんですよね────」


「っ・・・・」



女は赤髪の男の隊に所属する兵士を只助けただけ。


彼が手にかける大事な兵士を。



「何故・・・・何故僕じゃないんですか・・・・。

僕はこんなにあなたのことを想っているのに・・・・愛しているのに───っ!」



青年が女のスーツのジッパーを荒々しく下げる。



「強いあなたがこうして捕まったのだってあの男に会うためなんでしょう?!」



スーツを思い切り左右に開き中から身体を剥き出しにする。



「はあ─はあ─はあ──ッ」



女が更なる欲求に身を焦がし息を次々と暗い牢に響かせる。



しかしスーツの中から汗ばむ白い肌と膨らみが現れるも、胸には既に赤いしるしが一つ付けられていた。



それを見た青年は、自分の胸に黒い炎が灯されたようなざわつきを覚える。




初めての戦場で彼女に与えられた命。



一刻も早く女の元に追い付こうとようやく一等兵の地位に就く頃には、自分の想いが全て無駄なものだったと知る。



何故赤髪の男なのか、自分は地位をも駆け上がる程に想い焦がれているのに。



辛さを辿れば辿る程、その焦がれが徐々にとぐろを巻き女への執着へと染め上げていく。



自分の想いは無駄なものではないとその証を女の身に刻み、美しい器ごと自分のものにしてやると────。




「僕の方がずっとずっとずっと深くあなたを想っているのにッ!!!!」



彼から嫉妬心を感じ取った女は、それすらにも性的興奮を感じ、舌なめずりをするような期待の目を向けた。


瞼が下りそうな瞳を甘くにぶらせ、


赤髪の男の噛み痕が付いた自らの身体を青年に差し出すように────。



囚われたのは青年か、女か。



青年が両手をスーツの中に入れ、腰を上下に擦り始める。



「ふぅんッ・・・・」



早く早くと急かすように女は何度も腰を浮かせる。


スライムが背中から下の方へと這っていき、後ろの割れ目をなぞり始めた。


求めている箇所とは違う箇所を刺激されるも、女が快楽の表情に咲き乱れる。



「────僕だけがあなたを満たすことのできる存在だと知らしめてやる。」

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