第114話

その時はそれ以上、宗平が"兄"について触れることはなかった。



そして3人でもくもくとキッシュを食べ終えると、宗平が衝撃的な発言をする。



「オルカ!!一緒にお風呂に入ろう!!」


「・・・・・・・・」


「は??」



何を口走っているのか、兄がいると公言してしまったショックで頭がおかしくなってしまったのだろうか。



「今日はこれを持って来たんだ!」


「・・・・なに?」



宗平が学校の高級そうな革鞄から目を疑うようなものを取り出した。


私と四竃の開いた口が塞がらない。



「これを着れば一緒に入れるだろう?」



宗平が若干顔を赤らめながら悪魔の笑みを私に向ける。


そのちぐはぐな表情に私の顔は真っ青になった。



宗平が鞄から取り出した代物、それは、


キッズサイズのワンピース水着。


スカート部分はやっぱりフリフリヒラヒラで全身色とりどりの水玉模様とリボンがほどこされている。



「二越サン・・・変な2次元資料集めすぎっす。。」


「2次元??なんだそれは。」


「何でもいいけどルカちゃんがんなもん着るわけないっしょ~。」


「着るよな?!僕の水着も持って来たんだ!髪の毛洗ってやるから!!ね?!」



何だって宗平はこう平然と変態行為を全面に押し出せるのか・・・


しかもその水着、いつどこで買ったんだよ・・・

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