第68話
無理に抱っこされながらハン君の顔を鋭い目付きで睨んでやった。
「・・・・おろして。」
せめてもの小さな抵抗だ。
でもハン君は余裕の笑みで私を降ろそうとはしない。
「凌久に何されるか分からないからイヤ。」
お前が言うな。
無理矢理降りようとすると両足を抱えるように掴まれ、また抱っこし直された。
洸太郎と3人で狭いエレベーターに乗るとハン君が7階のボタンを押した。
このマンションは7階が最上階らしい。
不意に洸太郎が腕時計を見る。
「もうすぐお昼だな。
出た。また私の知らない新しい名前だ。
チームと言っていたが
ねえ里桜、私たちも"チーム"で合ってるよね??
何故か里桜の姿が頭に思い浮かんだ。
「お前騙されてるぞ」と言いつつ、結局私の気持ちを優先してくれた里桜。
私を心配してくれたのに素直に「ありがとう」も言えなかったのが今になって悔やまれる。
早く里桜の腕に抱かれて安心したい。
凄く語弊のある言い方なのに、今は強くそう思えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます