第57話
「ねえ、表にあったMINIは、洸太郎の?また車、変えたの??」
「・・・誰かさんに傷つけられたからね、安い車を選んだだけだよ。」
「ふーん、それでも外車とか、なんか嫌味、だよねえ。」
平然と2人が話す中、私は何一つ声を出せない。
何でもいいから早くその部屋に私を返して欲しい。
そう思って部屋の中を見た。
その様子を察してかハン君の瞳が再び私を捕える。
「・・・ごめんね、伊東さん。
一緒に来て欲しいところが、あるんだ。」
「え・・・??!」
来て欲しいって・・・
そんな控えめに言われてもこの状況で喜んで行く奴がいるだろうか。
大体私は自宅待機と言われているし
見張りの宮部さんの目を盗んで行くことは出来ないだろう。
瞳子さんが直々に頼む警官は信頼度が高いはずだ。
いくら2人がヴァンパイアでも堂々と車で連れて行く輩を
「こ、このまま行くんでしゅか??」
私はTシャツの裾をぎゅっと握った。
違う。
行けないなら行けないと素直に逆らえばいいものを。
もっと言うべきことはあるし説明も仰ぎたいのに
友達なのに・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます