第34話

「へー、


皆で合コン行ったりするんでしゅね~。」




ふんっ




満面の笑みで言ってやった。


見ろこの何一つ穢れのない天使の笑顔を。



皆が気まずそうに私から目を反らすのが分かった。



「楽ししょうでしゅね~☆

合コンってどんな女の子が来るんでしゅか~?きっと可愛い子達なんでしょうね~☆」



ウフフー


あ、ちょっとこれ気持ちいいかも~☆


小さな子供の力って凄い!言えなかったことがスラスラ言える!!


外面そとづらは天使の笑顔でも腹の底では高笑いをする私はとんでもない魔女かもしれない。



最初に切り出したのは気まずさに耐え切れなくなった里桜だった。



「よし、菓子買ってやるから!!

な?ほら、スーパー行こうぜ?」



「あーーー!!!!そうだ織果ちゃん!

織果ちゃんの好きな食玩しょくがん買ってやるよ!!」



三潴が餌で釣ってきた。


そのご好意、有り難く頂いておこう。


私はすぐに両手を出し三潴に数量を訴えた!



「10個!!食玩10個買ってお兄たん♥️」


「じゅ、10個ぉ?!」



食玩とはフィギア付のお菓子のことで、一つ約400~500円はする。



「あ、俺バイト抜け出して来てたんだったー!!戻らないと!!」



四竃が私を里桜に預ける。



「じゃあ僕は瞳子さんと一緒に行くから。また明日ね?」



さっきまで私を穴が空くほど見つめていた宗平が颯爽と瞳子さんの車に乗り込んで行った。

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