第22話

「いやどー考えてもまずいっすよ!!!!

今だってまた隣町の高校の奴らが100人がかりで喧嘩売って来てるんすよ?!今ちょうどうちの奴らが相手してるけどさ。」


「え~またあ~??」


「三潴サン、あんたのせいっすよ!!そいつらの総長が三潴を出せってカンカンなんすから!!」



皆で一斉に怪訝けげんな目を三潴に向ける。



「三潴・・・まさかまたどっかの総長の女に手を出したの?」



三潴の頬に一筋の汗が流れる。



「・・・ええと、どの女の子・・・??

出しすぎてワタシヨクワカラナイ。」





これはよくあることで、大体喧嘩の原因を作る第1位は

「三潴が相手の彼女に手を出した」である。


因みに2位以下はこちら。



第2位 宗平に相手の彼女が勝手に惚れる

第3位 四竃に相手の彼女が勝手に惚れる

第4位 里桜に相手(男)が勝手に惚れる



そしてここでついに私の名前が出てくる。



第5位 織果と一戦をまじえたい



・・・世の中は理不尽なことだらけだ。



私は青塚高校、白丘高校、黄華高校、赤渕高校の4校を束ねる総長だ。


たまたま彼ら4人と喧嘩をする機会があってボッコボコにしてやったら自然とそうなってしまった。



彼ら4人はヴァンパイアだ。


日本では数少ない生き残りがたまたま各高校のトップに立っている。


ヴァンパイアは人間よりも身体能力が高いため喧嘩も強い。


そしてそんな彼らよりも私は強かったりする。


正直4人同時にかかって来られても勝てる自信がある。


でも私はヴァンパイアではない。


普通の人間。



ただ普通と違うのは、「狂喜きょうきの血」というヴァンパイアにとって特別美味しい血を持っていること。


しかもその血にはヴァンパイアの怪我や病気までも治してしまうという特性があるのだ。


つまり私は数少ない「狂喜の血」を持つ狙われやすい存在。



その代わり「狂喜の血」を持つ者は強さが与えられるのだ。

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