第19話

「じゃあまずはこの服に着替えるんだ!そんなスラム街の少女のような恰好は許さんぞ!」



そう言って宗平パパがパステル調の大きな紙袋を私に渡してきた。



「お着替え、お兄さんが手伝ってあげよっか♪」



三潴が本気の笑顔を私に向ける。



「大丈夫でしゅ間に合ってましゅよ

おじちゃん!!」



私は紙袋を持ち隣の布団の部屋に戻ると襖を思い切り閉めた。


すると襖の向こうからこんな声が聞こえてきた。



「うちの姪っ子、絶賛反抗期中だな。」



三潴はセクハラ大魔王だけどノリはいい奴だった。



自分の身体と同じくらい大きな紙袋の中を見ると、色々なものが入っている。


帽子

小さなカバン

靴下

ぬいぐるみ


良かった、ちゃんと子供用の下着も入っている。


でもメインである服はとんでもないものだった。


そのメインであるワンピースは構造が難しく、どこからどのように着るべきなのかすら分からない。


それでも裏返しにしたりして頑張って着替えると、なんだか自分があまりにもアホらしく思えた。


こんな服、私にはまるで似合っていない!!


私は普段パーカーにロングスカートで大学まで通っている。


因みに不良共と喧嘩する時はパーカーにハーフパンツ。


パーカーは私のトレンドマークのようなものだ。


それが何これ?このフリフリビラビラ。


これじゃ喧嘩もできやしない。


それでも今着ていたTシャツよりはマシなのかもしれないけど。



勇気を出して襖を開けると、里桜はまだ畳に伏せていた。


・・・え??そんなにショックだったのか里桜・・・。




「で、できまちた。」



スカートを掴み、うつむき加減に言った。


絶対馬鹿にされる・・・

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