第10話
自分で言うのもなんだが、子供の私はそんなにいつもと違うだろうか??
ようやく学校に向かう車のエンジン音を確認したところで玉子サンドを食べ始めた。
さて今日は何をしようか。
いつもなら暇な時間は漫画を読むが、なんとなくテレビをつけた。
この時間は大体ワイドショーばかりだ。
つまらない番組に次々とチャンネルを変えていく。
でもその時、いつもならすぐに飛ばす番組に目を奪われた。
子供の歌番組だ。
子供たちとお兄さんお姉さんが楽しそうに踊って歌っている。
私は思わず目を輝かせた。
な、なんだろうこれ、凄く楽しそう!!
スッと立ち上がると、テレビ画面の見様見真似で躍り始めた。
初めて聞いた歌にも関わらず、自然とハミングを口ずさむ。
なにこれ
なにこれ
楽しすぎる~~~!!!!
最後に両手を上に挙げ、万歳のポーズをしたところで私は興奮が最高潮に達し、キャーッッという雄叫びを上げてしまった。
瞬間、
ふと目の前から視線を感じ取った。
ガラス張りの庭の窓から金髪の男がヤンキー座りをしてこっちを見ている。
「っなあっっ!!!!」
私は飛び退いて後ろに尻餅をついた。
金髪がガラス越しに話し掛けてきた。
「・・・なんだお前?なんでガキがいるんだよ??」
な、なんで庭から来るの?!!
ちゃんと玄関のドアのノックして来るのが日本人の礼儀でしょ?!
でもそれよりも何よりも、今の一部始終を見られてしまったことに私はショックを隠し切れなかった。
私はまた泣きそうになり宗平が貸してくれたハンカチをギュっと握る。
この男にそんな私の気持ちが汲み取られることもなく、金髪頭がずけずけと庭から入って来た。
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