第6話:セシルから告られる。
さて、ようやくエレベーターをクリアして俺の部屋へ。
「入って入って」
「おじゃしマンモス〜」
「わ〜それいつのギャグ?」
「許容範囲広いの私・・・かなり古いデータまでインプットされてるから・・・」
「ふ〜ん・・・役に立つデータならいいけどな・・・」
「今のみたいなくだらないギャグは捨てたほうがいいかもな」
「もう削除した・・・」
「とりあえずソファーにでも座ってて・・・」
「え〜と飲み物は・・・って言うかガイノイドだからなにも飲まないんだっけ?」
「はい・・食べ物も食べないし、飲み物も飲まないし・・・オシッコもしないし、
オナラもウンチもしないの・・・裸になった時、見た目重視して穴はちゃんとある
けどね」
「意味のないリアル感だな」
「でも〜経済的だ・・・助かるわ・・・でも飯食うって楽しみないな」
「じゃ〜必要なのは着るものだけか・・・メイドだから外にさえ出なきゃ
部屋の中じゃエプロンだけあったらいいけどな・・・あはは冗談だから・・・」
「けどさ、それじゃエネルギーとか栄養とかどうやって補給するんだよ」
「私の体の中にパーペチュアルジェネレーターとかってのがあって、それで
永久に動けるんだって・・・」
「永久電池ってことか・・・なるほどぉ」
「あの、私いつまで未来ちゃんちに置いてくれるの?」
「え?とりあえず、ずっとのつもりだけど・・・」
「って言うか俺に彼女ができたり誰かと結婚でもしたらメイドさんは
いらなくなるかな」
「未来ちゃんに彼女ができたら私捨てられるの?」
「捨てたりなんかしないよ・・・たぶん、次の人のところの家にもらわれて?
行くんじないかな?
「ヤだ・・・もしそんなことになったら世を儚んで自分で機能止めちゃうから」
「え〜・・・なにそれ・・・俺を脅すつもりか?」
もしかして自殺?しょうって魂胆?」
「自殺じゃなくて自壊って言うの」
「言い方違うだけで同じことだろ?」
「結婚って話は俺個人の問題でセシルには関係ないだろ?」
「そう思ってるでしょ・・・違うの」
「だって私、未来ちゃんのこと好きになっちゃったんだもん」
「はや!!」
「ってか・・・ガイノイドが?・・・人を好きになったりなんかするのか?」
「セシルと会ってまだ数時間したってないじゃないかよ?」
「なのに好きだって、いきなり告白されても・・・そんな感情ガイノイドに
備わってるのか?」
「AIに愛なんて感情あるのか?」
「じゃ〜セシル俺のこといつから好きになったんだ?」
「おばあちゃんちで未来ちゃんを見た時、あ、この人イケメンって思っちゃった
のが私の素敵な恋のはじまり・・・」
「え?イケメン・・・俺、今までそんなこと言われたことないけどな」
「ばあさんちでか?・・・あのわずかな時間に?」
「でね、お店を出た時に好き度が20%ほどアップして・・・で、お手々を
つないだ時に40%までアップして、ふたりで電車とバスの乗って降りた時点で
60%くらいまでアップして・・・エレベーター降りた瞬間に80%になって、
玄関入ったら好き度100%になっちゃってたの・・・ 」
「今はもう大好きって気持ちのメーター振り切って100%超えてるよ」
「もう戻れないの・・・私のジェネレーター、オーバーヒート起こしそう」
「なにそれ?、壊れないでよ」
「まあ、好いてくれるのは嬉しいけどな・・・大嫌いって言わたら同じ屋根の
下じゃ暮らせないからな」
「え?一緒に暮らせないの」
「好きってはっきり言ってるのに?・・・泣くよ?・・・ご近所の迷惑になる
くらい大きな声で泣いちゃうから・・・100デシベルくらいで・・・」
「やめろ・・・泣くな・・・60デシベルでも迷惑なのに・・・」
「100デシベルなんて聴覚に支障きたすよ・・・」
「大丈夫だよ・・・セシルが俺のこと嫌いにならなきゃいいんだから」
「未来ちゃんは私のこと好き?」
あのメガネがあるからな・・・うかつにいい加減なこと言えないよな・・・
「ばあさんちのジャンクショップでセシルをみた時からこの子だって思ったさ」
「じゃなきゃ連れて帰ったりしてないだろ?・・・」
「うん・・・それはウソじゃないね」
「そうだろ・・・・これからだよ、これから・・・愛を育むには一緒に生活して
もっとお互いを知らなきゃ」
(人間の女子ならいざ知らずガイノイドと愛なんか育めるのか?)
「未来ちゃん私を捨てないないでね、捨てたら泣くから・・・」
(完全にメンヘラだな・・・)
とぅ〜び〜こんて乳。
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