台湾楽旅日和

神崎あきら

言葉は通じるのか

 海外に行くときの大きな障壁のひとつは言葉だ。

 私は語学が苦手で古文漢文英語と苦労してきた。中学から大学まで学んだはずの英語も話すとなると単語や中学生程度の文章しかできない。

 三国志が好きで中国に何度か旅行に行ったことがあるので数字やトイレどこですか、いくらですか、程度の中国語だけ使えるレベル。


 台湾は親日で日本語も通じるという。それは本当なのか。


 台北などの都市部では日本語が通じるホテルやレストランも多いし、日本語がダメでも英語の単語や簡単な会話は問題ない。しかもネイティブではないのでかなり聞き取りやすい。

 メニューも日本語で書いてあるものも多かったし、台湾で使う繁体字は日本の旧字体なのでほぼ読めるし意味が分かる。

 実際行ってみた感想は、旅行するぶんには言葉の壁ではほとんど困らない、だった。


 そして台湾の方は基本的にとても親切で、日本人と分かれば、言葉が通じないなりの対応をしてくれるし、スマホアプリなどで通訳しながら根気よく教えてくれる。お茶を買う時にはスマホアプリで詳しい説明を教えてくれた。寄り添う姿勢に感動した。


 また、行き先を尋ねるならスマホの地図を指さすとか、注文したいメニューが天井や壁にしかないならスマホで写真を撮影してそれを指差すこともできる。やりたいことが明確ならそれを示す手段があれば指差しで事足りる。


 日本人なら文字が読めるのが強いし、言葉は中学英語むしろ単語くらいでどうにかなる。日本語は何でも通じるとは思わない方が良いが、意外と話せる方はいる。

 無理に文章をしゃべろうとしなくても良いというのがミソだ。単語を並べるとか指さしでその場の状況から意図を理解してもらえるものだ。


 バス停で路線図とにらめっこしていたらカタコトの日本語で話しかけられ、英語を交えながら懇切丁寧に教えてもらったこともある。

 田舎で古い橋を探して住宅地で迷ったときには、住民にスマホに登録した地図のポイントや写真を見せて分岐点まで案内してもらえた。台湾の方の親切さには感謝しかない。

 旅行程度の言葉による意思疎通はかなりやりやすい、というのが体感だ。

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