幼馴染からの告白を断ったらストーカーになった
ルイ
告白断ったら幼馴染が家にいた
人がすでにいなくなった夕方の教室にて
「ねえ、僕と付き合ってよ」
俺は幼馴染である
彼女は自他ともに認める美少女であり。それでいて性格が良いという神が二物を与えたような存在ではあるのだが....
「ん~嫌かな」
断った。
いやちょっと待ってほしい
冷静に考えてそんな奴と付き合ったらどうなると思う?
多分殺される
そもそも有紗とは幼馴染で気軽に話せる関係というだけで男子たちからは嫉妬の目線を向けられているのだ
よし。この選択は間違っていない。
そう考えた瞬間、先ほどまで笑顔だった有紗の顔が真顔になり
「は?彼女いないって言わなかった?」
「いないけどさ...」
「じゃあいいんじゃん。断る理由ないと思うんだけど?」
「けど....」
「けど何?なにかある?」
有紗にそう淡々と詰め寄られる
そう何を隠そう俺は口げんかで有紗に勝ったことは一度もない
こうなれば選択肢は一つ
「逃げるが勝ちだッ!」
俺は自分の荷物を一瞬で持ち、開いていた教室を出る瞬間ドアを閉め、急いで家に逃げ帰るのだった
「僕の告白を断るなんてあり得ないっ!」
そんな言葉は発した本人以外には届くことなく消えるのだった。
深夜、自室にて
「さすがにあれは駄目だったかな...」
「俺、明日からどうしようかな....」
明日、有紗が家に迎えに来るとき、なんて言えばいいのだろうか
だけどあのまま逃げずにいたらなんやかんやで付き合う流れに持っていかれただろう
だからあの時の俺の行動は最適だったはずだ
「はぁ、考えても無駄だな。ちょっと散歩に行こ」
俺は電気を消して、部屋を出た
家を出ると今は秋と冬の間の季節と言うこともあり少し肌寒い風が吹いていた
少し肌寒いが歩いているうちに暖かくなるだろう
そう思い上着を取りに行かずに歩きはじめる
歩くこと数分、やはり有紗ばかり考えてしまっている
「はぁ、集中できないし帰ろ」
俺は来た道を引き返して家へと戻る
そして家の前に来たのだが....
「あれ?俺の部屋って電気つけてたっけ?」
消したはずなのだが....
親が入ったということはないはず...
そもそも親はもう寝てるはずだ
だとするならば....
「泥棒....!?」
俺はそーっと玄関のドアを開けて中に入る
見たとこを一回は荒らされていないようだった
だったらまだ入ったばかりなのだろう
俺は音を立てないように階段を上り、自室へと向かう
ゴソゴソ
「~~~~~~」
何かつぶやく声が聞こえる
俺は自室のドア前に着くと勢いよくドアを開けた
「覚悟しろ泥棒めっ......ってあれ?」
そこにいたのは有紗だった
「は?なんで!?散歩に行ってるはずじゃ...!?」
有紗のことが気がかりで...とは言えなかった
「あ~いや...」
「とっ....とりあえず!なんでここに有紗がいるんだよ!」
「そっそんなの関係ないだろ!なんで説明しないといけないんだよ!」
「いやここ俺の家だし!」
「ぐぅ....」
ぐぅの音が出た....
「とにかく!僕はこれで帰るからっ!」
「ちょ!まだちゃんと説明してもらえてなっ!」
行ってしまった...
てかなんで俺の家にいたのだろう...
そう思いながら俺は有紗が散らかした部屋を徹夜で片づけるのだった
幼馴染からの告白を断ったらストーカーになった ルイ @ruisyousetu
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