第56話 結衣と美月との約束
俺はその日の夜ベッドの上でスマホを持っていた。
理由は単純で結衣をデートに誘うためだ。
美月と明香里の事もあるが、だからと言って結衣との関係をおろそかにするのは本末転倒だ。
三人と付き合うと決めた以上、三人とも平等にってのは絶対だ。
そんな訳で俺は結衣との初デートの約束を取り付けようと思っている。
まぁ、行こうと思っている場所な無いんだけどな。
それは二人で決めれば良いかなって思っている。
俺はそう思い早速結衣に連絡をした。
『結衣?今って起きてるか?』
俺がそう送ると直ぐに既読がつき返事が返ってきた。
『うん!起きてるよ。どうしたの慶君?』
『ちょっと話したいことがあるんだけど良いか?』
『もちろん大丈夫だけど……何かあった?』
『俺たちってさ付き合ってから一回もデートしてないからさ。もし良かったら近いうちにデートにでも行かないか?』
俺がそう言うと結衣は嬉しそうに返事をしてきた。
『え!?行きたい!!私も慶君とデートしたい!!!』
ここまで嬉しそうにしてくれると俺も嬉しくなるな。
『うん。行こうか。それじゃあ結衣は行きたい所とかあるか?』
『んーそうだね……慶君とならどこでも楽しそうだけど……どうせなら遊園地とかどうかな!!!』
遊園地か良いな。
結衣と行くならどこでも楽しそうだけど、俺は絶叫系も苦手じゃないし楽しそうだ。
『遊園地か良いなそれ。じゃあ一緒に遊園地に行こうか!』
『うん!行こう!それじゃあ慶、いつにする?』
『俺は別に何も用事とかは基本ないからいつでも大丈夫だぞ。結衣の都合のいい日で大丈夫だからそうしようか』
『えっと……それじゃあ準備とかもあるし五日後でも大丈夫?』
『分かった。じゃあそうしようか』
『うん!そうしよう!それと夏休み楽しみだね!』
結衣は楽しそうな声色でそう言って来た。
『そうだな。俺も結衣たちと遊ぶ事を凄く楽しみしてるぞ』
『それは私も美月も明香里ちゃんも一緒だよ♪』
『それじゃあみんなで楽しもうな』
『そうだね♪それに慶君は夏休み頑張ってね!美月も明香里ちゃんも積極的に行くと思うけどね』
それはそうだな。勿論そのつもりだ。
二人が頑張ってるのは分かっているしそれに答えないとだしな。
二人が告白できやすいように俺も俺で頑張ろう。
『そうだな。俺も俺で頑張るよ。もちろんそれは結衣に対してもだけどな。いっぱい遊ぼうな』
『うん!いっぱい遊ぼうね!』
そうして俺と結衣は五日後に遊園地デートの約束をした。
「ふぅー、夏休みか」
夏休みは長いし結衣や美月や明香里とももっと仲を深められると良いな……いや、良いなじゃなくて俺がそうなるように頑張んないとだな。
◇
それからしばらくしたらスマホが鳴り誰かから連絡が来た。
「次はだれだろうか……」
そうして俺がスマホと手に取り名前を確認すると美月だった。
『慶?まだ起きてる?』
『起きてるぞ。どうした?』
『慶は明後日って空いてる?用事があれば大丈夫だけど……』
『明後日か……それなら大丈夫だぞ。特に用事はないから』
俺がそう伝えると美月はゆっくりと話し出した。
『えっとね……実はおばあちゃんから良かったら友達と一緒に行ってきなって、映画のチケットを二枚貰ったんだけどさ……良かったら一緒に見に行かない?一応恋愛映画なんだけどね、どうかな?タイトルは○○○○って言うんだけど……』
映画か……前世も含めてあまり行く機会がなかったし楽しそうだな。
それに美月と一緒だし断る理由はどこにもないな。
あと○○○○って少し前に話題になってた映画だよな?ちょっと気になるかも。
俺はそう思い美月に伝えた。
『それじゃあ一緒に行こうか。俺も美月と遊びに行きたいしな』
『ほんと?それじゃあ明後日行こうね!』
『あぁ、それじゃあ明後日だな』
『うん!一時に○○公園の前に集合で良い?そこから一緒に歩いて行かない?』
『明後日の一時に○○公園だな』
『それじゃあ楽しみにしてるね!』
『俺も楽しみにしてるぞ』
そうして俺は美月とのやり取りを終えた。
「結衣と美月とデートか……」
まさか結衣より先に美月とデートすることになるとは思っていなかったが、全力で楽しませて俺自身も楽しもう。
「でもそれだったら夏休み中には明香里とも一緒にどこかに行きたいよな」
どこに行くかとは考えていないがどうせだったら一緒にデートに行きたいな。
明香里は美月よりも俺が積極的に行ってあげた方が嬉しいとおもうし……
「まぁ、そんな訳で明香里は俺から誘おうか……そういえば夏祭りって10日後って言ってたっけな?」
結衣が言うには10日後から三日間で行われらしい。
「話してなかったけど三人ってどんな服装で行くんだろうか?」
三人が着物で行くんだったら俺も合わせたいしな……
まぁ、それは後日聞けばいいか。
それよりも三人の着物姿は凄く見てみたいな。
海にも行こうってなってるし夏休みはやることが沢山あって楽しい夏休みになりそうだな。
俺はそんな事を思いながら眠りについた。
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