カオティックラジオ

葦名 伊織

#1 恋する乙女?

 さぁ始まりました。

 毎週日曜日、休日の淵からお送りするカオティックラジオのお時間です。

 アナタのお耳の恋人ペト、ここに参上。


 今回は『ペトペトした人生相談』ということで、リスナーの方から寄せられたお悩みに答えていきたいと思います。物好きなリスナーの方々がDMを送ってくれましたので、その中からランダムに選ばせていただきます。

 では、今回はこの方――



『ハムスターになれない』さん 女性 年齢非公開


 ペトちゃん、こんにちは。

 カオティックラジオ、いつも楽しく聴いています。

 この前の■■■について語る回は最高でした。訴訟されないか心配です。

 私も大好きな『ペトペトした人生相談』をやるということで、勇気を出してメッセージを書いてみました。私の悩みを聞いて下さい。

 突然ですが、私はある男性を追いかけています。 

 この世の中は、よく考えずに発言する人間がほとんどです。

 彼もご多分に漏れず、そういう人でした。

 ある日、私が質問すると、やはり彼は大して考えもせずに答えました。

 それによって私の心は深く傷つけられたのです。

 私は昂った感情に任せて彼に詰め寄りましたが、その日は上手く逃げられてしまいました。 

 そして後日、再度彼のもとへ行くと、彼からすごく嫌な臭いが漂っているではありませんか! 

 あ、彼がお風呂に入っていないとか、そういう臭いではないんですよ(笑) 

 私にはどうしても苦手な匂いがあるのです。どうやら彼はそれを知っており、『虫除け』ならぬ『私除け』として身体に付けているようでした。

 どう思いますかペトちゃん。ヒドイと思いませんか?

 非常に腹が立って、どうにかこうにか彼に近づこうと試みたのですが、やはりどうしても臭いに耐えられず、近づくことは出来ませんでした。

 私の中で彼への想いが日々強くなっていくのを感じます。

 『逃がした魚は大きい』という言葉が骨身に沁みる毎日です。

 このメッセージを書いている今も、心の底から湧き上がる焦燥感に身悶えしており、飴を舌で転がして気を紛らわせている状態です。

 私はどうしたらいいでしょうか? 諦めるのは絶対無理です。

 

 というお悩みなんですが。

 諦めた方が楽だよ。って言おうと思ってたら『絶対無理です』って先手打たれちゃった。アハハ。

 うーん。どうしても彼にもう一度近づきたいなら……やっぱり時間をおくしかないんじゃないかな。

 彼はしばらく『ハムスターになれない』さんが嫌う匂い、香水かな? をつけ続けると思うから。しばらく時間をおくしかないと思う。

 人間ずっと臨戦態勢を保つのは不可能なわけですよ。

 毎日匂いを付けているという事は、頭の中が『ハムスターになれない』さんのことでいっぱいだという事。そんな精神状態が続いたら、肉体にどういう変化が現れるんですかね。 アナタはそれを遠くから見守っていればいいんです。

 いつかのタイミングで、気が抜けるか、緊張状態に耐えられなくなって、匂いを付け忘れる時が絶対きます。

 そのタイミングを狙って彼に突撃ですよ。そしたら彼もビックリして逃げることもできないんじゃないかな?

 もし、また逃げ出そうとするなら、そうだなぁ、その時はまず脚でも狙ったらいいんじゃないですかね。膝とか腱とか。アハハ。

 そんで動けなくしてから、『ハムスターになれない』さんのお好きなようにね、煮るなり焼くなりしたらいいんじゃないでしょうかね? アハハハ。

 適当過ぎ? でもコレがカオティックラジオ。また聴いてねー。

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