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「話をまとめるね」久美子は言う。
それから久美子は二人の推理を自分なりにまとめてみた。
まず、さゆりちゃんがこの一週間が勝負と言ったのは、百年前の○○町飲み込んだ○○川の氾濫があった日時が、私(久美子)がこの世界がおかしいと感じた日からちょうど一週間後だということだった。
つまり、さゆりちゃんはその『運命の日』に、百年前と同じように、現在の○○町でも同じように○○川が氾濫し(今も氾濫しているようだけど、町を飲み込むくらいの氾濫が起こるということらしい)○○町がなくなってしまう、と言うことだった。
そのさゆりちゃんの説明を聞いて、久美子は昨日考えた○○町が闇闇に飲み込まれてしまういやな空想を思い出した。
その話を久美子がさゆりちゃんと信くんに言うと、信くんは「それはやばいな」といい、さゆりちゃんは、「……もしかしたら、それは久美子ちゃんの空想ではなくて、これから本当にこの世界で起こることかもしれない」と真面目な顔をしてそう言った。
「空想じゃないって、どういうことだよ?」信くんはいう。
「私は、この世界の『鍵』になっているのは久美子ちゃんだと思っているの」とさゆりちゃんは言った。
「え? 私?」自分を指差して久美子は言う。
「うん。私はそう思う。まるでこの世界は、『久美子ちゃんが考えた世界。あるいは久美子ちゃんの見ている夢の世界の中なんじゃないかって』、思うんだ」
さゆりちゃんは真面目な顔をしてそう言った。
この世界が私の見ている夢の中の世界……?
久美子は驚きながら考える。
「あのな、そんなわけないじゃん」すると、その久美子の横で、さっきまで雨降りの風景を窓越しにじっと見ていた信くんがそう言った。
「どうしてそう言い切れるの?」さゆりちゃんは言う。
「だって『俺はここにいるから』」信くんはにやっと笑ってさゆりちゃんに言う。
さゆりちゃんと信くんは久美子の横になっている(久美子は保健室のベットの上で上半身だけを起こして二人と会話をしていた)ベットを挟んで、会話をしている。
窓に背を向けているのがさゆりちゃん。
窓を見ているのが、信くんだった。
「ここが仮に三島の見ている夢の中の世界だとすると、俺はただの三島の空想ってことになってしまうだろ? それはありえない。だって俺はここにいるからさ」信くんは久美子を見る。
そして、なあ、三島、とでもいいたげな顔で久美子を見た。
「うん。私もそう思う」
久美子は言う。
「それは、違う。たぶん、私も如月くんも、本物の関谷さゆりではないし、本物の如月信くんじゃない」
さゆりちゃんは少し悲しそうに顔を下に向けてそう言った。
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