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木製の教室の中には先生の教壇とスチールの机と、小さな木の机が三つだけ置いてあった。
その三つの木の机に窓際から、信くん、久美子、そしてさゆりの順で座った。(それが三人の席順だった)
そこで少しの間、(その間、久美子はざーという外に降る大雨を音を聞いていた)授業が始まる時間までおとなしく道草先生を待っていると、時刻が八時となって、きーんこーんかーんこーん、と言う授業の始まりを告げる鐘の音がなった。
すると、その鐘の音と同時にがらっという音がして、ドアが開いた。
そしてそこから一人のくたびれた深緑色のセーターを着た三十代半ばくらいの年齢の男の人が一人、入ってきた。ぼさぼさの髪に、サンダルを履いて、黒縁のメガネをかけたその人はどこからどう見ても、道草細道先生だった。
「やあ、みんな、おはよう」
教壇のところまで移動をすると、にっこりと笑って道草先生は久美子たち三人にそういった。
「おはようございます」と三人は道草先生に挨拶をした。
先生に挨拶をしながら、久美子は、ほ、よかった。道草先生はいつもの道草先生だ。闇闇じゃない。と思った。
それからいつもの朝の小学校の時間が始まった。
久美子はいつものようにさゆりちゃんや信くんと一緒に道草先生の授業を受けて、そのまま、時間はいつものように給食の時間にまで何事もなく過ぎていった。(まずは先生にあってから、といっていたさゆりちゃんは授業中、ずっと道草先生のことを、注意深く観察しているようだった)
〇〇小学校の給食の時間は小学校で用意されているお弁当であり、三人はお弁当を食べた。(今日のお弁当は、コロッケのお弁当だった)
給食の時間には道草先生も一緒にお弁当を食べた。
〇〇小学校六年一組ではこうして道草細道先生と久美子たち生徒三人が机をくっつけて(先生はスチールの机をくっつけた)一緒に四人で、お弁当を食べるのがいつものお昼の風景だった。
「道草先生。あの闇闇って知ってますか?」
久美子はお弁当を食べてる最中に、そんなことを道草先生に聞いてみた。
「闇闇? いや知らないな。闇闇ってなに?」
ペットボトルのお茶を飲みながら、道草先生はいった。
「俺も知らない。闇闇ってなんだよ?」信くんはいう。
「闇闇は、闇闇です」
さゆりちゃんは言う。
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