生に酔わず

価値なんかいらない

君は人に売られるとき自分で値札をつけられるか

溶けかけの脳を秤に差し出せるか


価値なんかいらない

鍵のかけられない金庫でいられるなら

路傍のテレビでいられるなら

喜んで埃をかぶってやる


君が終わりのない道を突き進むのも

虚ろな美辞麗句を紡ぎ出すのも

見なくていいのに


あの人は虹色に輝く石を積み上げている

君は太陽に向かってあの山を登っている

僕はぐるぐるとぐるぐると

影に向かって話しつづける

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