希求

私の脳髄つぶしてください

頭蓋を割って中身を啜れば

アルコールでうがいしようね

それでも黒い記憶は滲み出る

ぶくぶく沸き立つあの日の言葉

濯ぎ洗いで漂白できないかしら


私の脳髄つぶしてください

壁に叩きつけて脳漿ぶちまければ

上からスプレーで落書きしちゃおう

それでも鉄の扉は開いていく

隙間からあふれでる無数の虫たち

殺虫剤をまきちらせ


私の脳髄つぶしてください

両目を突き刺して穴をあけて

二度と世界を見せないで

それでも色彩は浸み込んでいく

音も臭いも全身を這いずり回る

身体からは逃げられない


それでも

私の脳髄つぶしてください

私の脳髄つぶしてください

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