郷愁

残酷な空の青は僕を連れ去った

余った僕は冷えた風にさらされている

鮮やかだった草花は汚泥に潰れ

沼に群れ咲く朝顔はへどろを吸って黒ずんだ

行く手には干からびた亀の死体

枯れ草は無慈悲に乾いた音を立て

腐り落ちた実は恨めしく悪臭を放つ

僕の身体は脈打つ心臓だ

気をたしかにしないと

意識が肚の底に引き摺り込まれる


雲間から差し込む光が綺麗だ

光に照らされ白い塔はぼんやり輝く

それは枯れ木の浮く灰銀の池の奥

鬱蒼とした木立のさらに向こう

あの青黒い山よりも遠い

とてもとてもとても遠い

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