異世界オネエ記
とりあえず小説を書きたい
第0話 鬼さんこっち?
「クソッ....何故『怒鬼』がこの実験場の位置を知っている!?」
「分からん、が...奴の五感には何か優れたモノがあるのだろう。とても興味深い」
地下深く、薄暗い部屋に彼らは居た
七三分けをした神経質そうな研究者が1人、腕を組み真剣な様子で悩んでいた白衣を着た長髪の男に唾を撒き散らして喚く
「クソッ、!」
「唾を飛ばして騒ぐな、ナン。ふ......それだから貴様は女に逃げられるのだ」
「っ、....それは今関係ないだろうがぁあああああああああああああああああああああああ」
ナンと呼ばれた男は嘲笑う長髪の挑発にのってしまい、顔を真っ赤にして大声で叫んでしまった
しまったのであった
「こんばんはぁ」
轟音とともに空いた実験場の天井の穴から厚い化粧に紅い口紅をしたスキンヘッドの大男がにこやかに笑みを浮かべてコチラに小さく手を振っていた
*
side:ナン
「こんばんはぁ」
理解が出来なかった
なんでコイツはここにいる?
なんでコイツはこの分厚い天井を突き破れた?
いや、そもそも俺は何を見てイる?ナニヲー
*
side:長髪
ナンの顔が果物の様にぱっくりと真っ二つに割れていた
綺麗に半分だ。まるで時間が止まっているかの様に、血の一つも落ちない
「キミはぁ、どうする?」
「は?」
「...キミはぁ、どうする?」
「あ、あぅ、な、なん、な、だ...」
いきなり目の前に現れたスキンヘッドの大男に唇と唇が当たりそうな程の至近距離で問われる
その気迫に思わず身体中の穴という穴から垂れてしまい、不甲斐ない声が出る
「えっとぉ、お疲れ様ねぇ?」
「っ-」
長髪の男は何も言えずに胴体から首を切り離された
*
当時、その場に居合わせた 1人の元実験体によって伝えられた怒鬼の有名な話がある
-『怒鬼』は弱者を虐げる者に怒れる鬼だ。だが、その鬼は決して弱者全ての味方では無い。...その理由として、彼は弱者のフリをした半端者を好まないからだ-
それは『怒鬼』の人となりを示す話であり、今なお語り継がれるこの世界の古き歴史だ
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