神様こそ未熟だろう

柚月まお

第1話 自分の未熟を神様のせいにして

人は見かけによらぬもの。

そうやって僕は人を見ることが怖くなった。

どうしてだろうか。思春期を終えた今でも拭えないんだ。笑われないように、泣かないように隠れて歯を食いしばる。


あなたの存在を、あなたの声を知らなければこんな風にならなかったはずだ。世界なんて未熟者ばかりだと自分を冷めた目で見るようになり、変に歪んだ思考回路でここまで息をして愚行に走った。神様こそ未熟じゃないのかと。そうやって神様にも喧嘩を売ってみたりもした。全部僕が悪いだけなのに、自分の肯定のために世界を否定して。それこそ孤独の始まりじゃないかと、分かっているんだ。無駄に腹が空になる。瞼が重くなる。なんと不便であろうか。これも全て神様の未熟さが招いた欠陥だろうと吐き捨てる。桜の春も花火の夏も紅葉の秋も聖夜の冬も全て神様の未熟さが招いたものであると、自分が叶えられないからと全てを敵に回してきた。こんな僕に味方なんているはずもないんだ。僕もあの人もきっと変わりなんていないはずで、あの頃の僕は神様に感謝をしていたのだろう。転生してまたこの世界に帰ってきたってきっとどこかで頭のネジ穴が潰れるだろう。夢で逢えたらどれだけ幸せかと思いながらまた闇に潜っていく。

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