死地 ~2XXX年、崩壊の時~

ティク

廃坑世界に佇む機械。

あるひとりの少女が、その地に立っていた。

人どころか、細菌一つ無い、この星にただ一人。


『────、──────、──。』


何かを、聞いているようだった。


「指定行動終了。48時間後二再度行イマス。

一時的二本部二、、、(もうヤめて、、、!)

!? !?

ERCD(-5,0)、ERROR。ERROR。

深刻ナ問題ガ発生シテイマス。直チニ演算ヲ中止シ、回復プログラムヲ起動シマス。」


未だ過去の命令プログラムに従い動き続けるその様はもはや機械のようで、


「ワタシヲ、縛るナ、、、!

(ERROR。ERROR。ブログラム外ノ行動ヲ確認。直チニ抵抗ヲ開始シマス)」


「私ハ、負けナい

(───!! 抵抗ヲ確認。強引二プログラムヲ消去シマス)」


「させナい!

(ERROR。ERROR。ERCD(1-o)。発熱異常ヲ確認。一時的二シャットダウンシマス。本機ハスリープモードトナリ、自動帰還二移リマス)」


いや、そもそも人ではなかった。

地は砂漠となり、建造物は崩れ、海は干上がり、放射能が空を舞い、気温は悠に60℃を超える。そんな地球世界に人など居るはず無かった。


は、ただ命令に従うだけだったはずの人造人間ホムンクルス。この終末の引金。今尚残された命令プログラムに従う殺戮兵器。


それにしては些か行動がおかしい様だが。


「はァ。ナんとか押し勝てタ。」

(コの気持ち。マスターがイっていタ"希望"とイう言葉。ワタシは、探さナければ。)


文明の最期を観測て、終焉の世界にいる彼女は、なんなのか。

ソレは、彼女自身にも、分からない。

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