第3話
これから、死ぬのだ。
死ぬためにここに来た。
死ぬため、では語弊があるかもしれない。
”生”、という しがらみから解放されるために、ここに来たのだ。
愛されず、汚いもの扱い。
塵以下の扱いと、痛みだけの毎日。
食事も風呂もトイレも、何もない。
存在意義は、渡された部屋にただいること。
かってに引き払ってきたマンションの一室は、私のものであって、私のものではない。
キッチンも布団も風呂もトイレも、何もかも使うことを許されてはいなかった。
ただ、なぜか生活感のある部屋に、何も敷かれていないスペースに座り続けるだけの毎日。
誰もこない。
たまに、ご飯という名の餌を携えた人が来る。その時だけ、キッチンも風呂もトイレも使うことが許された。
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