走狗《そうく》~私のSTELLA《星》

塩澤悠

✰Prolog✰~プロローグ~

私を見ない、あなた───。

温かい腕に抱かれて、甘い口吻くちづけに私ひとり酔わされても──。


あなたの眼は薄氷のように冷たく、遠くを見ている。


知ってるわ、私を見るときにベールのようにかかる、愛の、嘘……。



だけど、私はわらう。あなたの前で。

今日も聞けない一つの疑問を、胸に深く、刺したままで────。

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