第13話 私はドラゴンソルジャー
青い戦士。
それは女戦士だった。
年齢は……多分、俺とどっこい。
身体つきに若さがあったんだよな。
ちょっとおっさん臭いかもしれないけど。
若い娘、という主張があった。
スラッとしてて。
運動習慣のある少女が変身してる。
見た感じ、そう思ったんだ。
変身してると断定したのは、姿が俺と似てるせいだ。
特にヘルメット部分がそっくり。
違うのは、額に竜の紋章が描かれていること。
「アンタ誰だ!?」
思わず発した俺の言葉に
「私はドラゴンソルジャー! よろしくね先輩!」
一瞬後ろを振り返りそう言って、彼女は
「やああああああ!」
だけど。
見て、一瞬で分かった。
こいつ、戦い慣れて無いし。
加えて言えば、武道経験者でも無い。
彼女、他人と戦闘をするスポーツをした経験が無いとしか思えない。
足運びだとか、武器の構え方でそういう思想が感じられないんだ。
彼女の武器は……槍。2メートルくらいの長槍だ。
俺は別に槍術の動画を見まくったわけじゃないけど。
他人と戦闘する場合に、人はどういう姿勢になるべきかくらいは分かるから。
そこから彼女の槍が素人同然であると断定できたんだよ。
だから思った。
……危なっかしい!
腰が引けた構えで、一生懸命馬頭鬼を槍で突っつく彼女を、俺はサポートする。
「がむしゃらに突いたって勝てるわけないぞ!」
そう言って、馬頭鬼を側面から俺は攻める。
胴薙ぎ。
馬頭鬼、やはり反応が良い。
俺の胴への薙ぎ払いをサイドステップで間合いを離して躱す。
馬頭鬼の視線は俺に向いてる。
「今だ!」
俺の言葉に、慌てたように
「サンダー!」
彼女は……ああ、そう言えば名乗ってたっけ。
ドラゴンソルジャーは叫んで。
その瞬間、彼女の槍の穂先から雷が迸り、馬頭鬼を打つ。
ヒヒ―ン!
馬の悲鳴が響き。
俺は
「ナイス!」
隙を逃さなかった彼女を褒めた。
……しかし。
彼女は雷を操るのか……。
俺とは違うんだな……
そういや、五行だっけ。
五行思想で雷って何なのか。
俺、その辺は良く知らないからな……。
俺はそんな考え事をしながら、馬頭鬼に斬りつける。
雷に打たれたため、感電の影響か、膝をついている馬頭鬼は。
俺の横合いからの斬り下ろしに、ギリ青龍刀での受けを成功させる。
……やっぱ強いな。
そう思い、俺が次の攻めのために、別の斬撃を繰り出そうと手首を返したときだ。
『変身後3分経過しました。変身を解除致します』
突如、そんなアナウンスが脳内に響き。
俺の変身が解除され。
一瞬の光の中。
スーツも、武器も、全部無くなった。
戦士として、丸裸になってしまった。
血の気が引く。
……まずい!
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