act.2 ギャラクシー篇④
さてと。だいたい解ると思うが、ハルヒの作戦とはこうであった。
「
それでうまく行ったら簡単すぎるな。
俺は巨大戦艦の内部にあって
他の船と
「おい、ハルヒ」
光線銃を
「このまま出て行ったら
「そんなの、気合いでかわしたらいいじゃない」
「そそそうですよー」
朝比奈さんが久しぶりに口をきいた。ふるふると
「あっ危ないです。ここでじっとしてお茶を飲んでいたほうが……」
「だぁめ」
ハルヒは朝比奈さんのありがたい意見を
「それじゃあたしが面白くないもの。いい? あたしたちは正義の銀河パトロールなのよ。悪いやつらは
そう言いつつ
「それはそれとして、少し待ってください」
いつのまにか長門の横に立っていた古泉が、
「今、長門さんに調べてもらっています。かの王子と姫の居場所をね」
見ると、長門はコンソールのパネルにゆっくりとした動きで指を
「いた」
ぽつりと
「何を調べてたの?」とハルヒ。
「乗員
感心している割には苦笑い気味で、
「おかげで解りました。ほとんどの乗員は
そこで古泉は振り返り、俺とハルヒを眺めて、
「王子と
またしても偶然か。いや、艦隊司令の爺さんがトンマなだけじゃねえのか?
俺が
「ここが王子と姫のいる船室です」
明滅
「僕たちの現在地がここ、底部格納庫ですね。プリッジに行くよりは二人の船室のほうが
「そうね……」
ハルヒはしばし考え込み、
「その二人をかっぱらって
難易度ではさほど変わらない気がするね。たまに忘れるようだが、俺にはお前ほどのスペックはないんだぜ。
スキズマトリックス号の周囲に群れてる兵士をなんとか退けたとしてもだ、王子と姫のところまで行ってまた
「では、第三の道を」
と、古泉が策士めいた笑顔。
「せっかくハッキングできているわけですから、これを有効活用すべきですよ。存分にね」
長門が器用なやつでよかったよ。多少、この艦のネットワークセキュリティに
古泉は悪びれたところのない笑みで、
「この艦隊は他国
古泉の片手が自席の宇宙マップに向けられ、
「幸いここは目的地である第五銀河分離帝国にほど近い。盛大に
「じゃ、そうして」
ハルヒは悪徳老中の提案を丸投げする無能将軍のように、
「有希、頼むわね」
長門はゆるくうなずくと、どういうシステムになっているのかさっぱり解らないコンソールを操り始めた。
そしてポツリと、
「全艦、ECM作動」
万単位の艦隊が
どおん、と
「大騒ぎだな」
俺は呟きながら、格納庫の風景を
どこかで回っている赤色回転灯が雑多な小型
おっと、また揺れた。
現在、俺たちの乗るスキズマトリックス号を腹に
艦隊の回線に割り込んで情報を
「
長門は文字情報が
「よし、チャンス
スキズマトリックス号を囲んでいた兵士どもは
「王子様たちの部屋までのルート、しっかり覚えときなさいよ」
「じゃっ、行きましょ」
できればじっとしていたかったがそうもいかず、俺たちはそれぞれ光線銃(って言ってるがもっと他に言い方はないのか? ブラスターとかさ)を
「あひゃあ」
朝比奈さんが危なっかしく着地するのを古泉が助けてやる。愛らしいグラマラスコス少女な朝比奈さんは
「みんな、銃の
なんでこいつは銃の使い方を知ってるんだ? しかもおかげでせっかくのブラスターが台無しだ。パラライズガンと
ハルヒは朝比奈さんにPガンを
「さ、こっちよ!」
全員が命令に従ったのを確認してから走り出した。なびく
格納庫から艦内に入るでかいドアをめがけて殺到する俺たち五人、まだ残っていた衛兵がレーザーライフルを向けてくるのを見たハルヒは問答無用でPガンを速射、麻痺光線に
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