act.1 ファンタジー篇⑥
「メテオバーストとデビルクエイク、その二つの
そう解説したのは古泉だった。
「酒場で聞いた
突破しすぎだ。ゲームバランスもへったくれもない。何もこう、
「いいじゃん」
ハルヒだけはどこまでも脳天気だ。
「さっすが、みくるちゃんね。これくらいのことはすると……まぁ、うん、ちょっと予想外だったけど、
賞賛されるままの朝比奈さんは、自分のしでかしたことに青くなって今にも
「あわわ……ひええ」
俺たちは小高い
「…………」
長門は呼吸一つ乱さず、無感動な
こうして魔王は根城ごと消し炭となった。めでたしめでたし……か? 何か忘れているような気がするが。
「さあ、帰りましょ」
「財宝は残念だったけど、吹き飛んじゃったもんはしょうがないしね。魔王を倒して世界はちゃんと救ったし、王様も満足でしょ。
そんなものは自分で企画するんじゃなくて開いてくれるのをさり気なく待っているものだ。場所も例の居酒屋ではなく、王宮の広間で大々的に――。
いや、ちょっと待てよ。帰る場所はそこじゃないだろう。魔王は倒した。だったら、これで条件クリアだ。RPGならそろそろエンディングテーマが流れなくちゃおかしい。そして、俺たちも元の世界に
「ミッションインコンプリート」
長門が呟くように言って俺に顔を向けた。どういうこったと目を
「ペナルティが科せられる模様」
なおさら意味が解らず、俺が
「…………」と俺と長門と古泉と朝比奈さん。
またしても言わねばならない。ファンタジー世界に
「なんだ、これ」
ふと――こればっかりでイヤになるのだが他に言いようもない――気づけば、俺たちは宇宙空間にいた。
「おやおや」
俺の横で
「今度は宇宙パトロール隊に配属されてしまったようですね。第二ステージと言ったところでしょうか?」
俺に聞くなよ、そんなもん。ミッションインコンプリートのペナルティがこれか? 今度は何をさせようと言うんだ。
『聞こえるか、広域銀河観察機構パトロール部隊所属のハルヒチーム』
目の前のコンソールが
『こちらは第五銀河
「オッケー」
と、ハルヒは
「宇宙海賊をやっつけるくらいはロハでいいわ。あたしたち銀河パトロールの仕事だもんね。お子さんのことも安心して大船に乗ってなさい。今度こそ、きっと助けてあげるから」
なるほど、それを忘れていたな、それ
「行くわよ、キョン。わっるい海賊を追って、宇宙の果てまでねっ!」
しかたがない。行き先が宇宙の果てだろうとリングワールドだろうと、どうにも隊長の命令には逆らえそうにはないし、第一、さらわれ
だが、まさか第三面まで行きやしないよな? 次は西部劇でガンアクション――なんつうのは
「エンジン全開、最大船速!!」
ハルヒがそう
次にふと気づいたとき、部室でお茶でも飲んでいるシーンであることを
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