第4話 トラック運転手の証言

 あの日の夜は雨が酷くってなぁ。このまま高速に乗っても渋滞に巻き込まれるなってことで、高速乗る手前のコンビニで休んでたんだわ。

 あれは確か夜中の1時くらいかなぁ。コンビニにトイレ借りに行って、雨の中車に戻る途中に、見たんだよ。コンビニの駐車場と道路挟んで向かい側の歩道を歩く女の子をさぁ。

 傘も差さずにびしょ濡れで歩いてるからさぁ、流石に心配になって。「おーい、大丈夫か-」って声かけたの。そしたらその女の子がゆーっくりこっち向いてさ。

 笑ってんの。にやーっと。面白くて笑ってるって言うよりは、何て言うか、無理してるみたいな?なんかもうどうしようもなくなって笑ってる、諦めの笑み?みたいな? とにかく正常じゃないなと思ったから、女の子の元に駆け寄っていこうとしたんだよ。

 でも、もういなかったんだその女の子。瞬き一つしたら、ぱっと消えたみたいにいなくなってた。わざわざ道路跨いで歩道の方も探したんだけど、どこにもいなかった。

 土砂降りの夜に、道路越しに見た出来事だったからさ。悪い夢かなんかだろうと思って、そそくさと車に戻ってさっさと寝たよ。まぁ、なーんか女の子のことが気になって碌に寝れなかったけど。


 ・・・俺の話はこんなとこだけど、これでいい?

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