ツキモン
吉太郎
第1話 『相模神奈ちゃん失踪事件』 概要
『相模神奈ちゃん失踪事件』
発生:1998年8月20日 午後3時頃
場所:██県██町の自宅
被害者:
《概要》
1 事件の流れ
1998年8月20日、午後3時頃。「夏休みの宿題をする」といって部屋に籠もっていた神奈ちゃんの部屋を母・
午後5時。2時間経っても見つからず、美代子は夫・
午後7時。神奈ちゃんの友人や学校を当たるも成果無し。ここで孝が警察に110番をする。
午後8時。警察が通報を受け現着。警察主導で町内全域にわたる捜索網が展開される。
翌21日午前9時。警察は少女失踪事件として捜査本部を設置。誘拐の可能性も視野に付近の防犯カメラ、目撃者の有無など徹底した捜査が行われる。
10月20日午前10時。大きな手掛かりを得られず、警察は大規模な捜索を打ち切り捜査本部を解体した。以来、未解決のまま神奈ちゃんの行方は分かっていない。
2 手掛かり
警察の捜査のによりいくつかの小さな手掛かりは得られた。
1つは相模家自宅周辺の目撃証言。事件発生時刻、自宅前の道を歩いていた主婦Aがフラフラと家から出る神奈ちゃんらしき少女を見たという。その少女は酷く憔悴し、顔は青ざめていた。主婦は声を掛けようとしたものの、少女は小走りで██駅方面に行ってしまったという。警察は更なる目撃情報を求めたが、元々相模家周辺は閑静な住宅街であり人通りが少ない。また防犯カメラ等も数が乏しく主婦A以上の情報は得られなかった。
2つ目は██駅前防犯カメラに映った少女について。事件当日午後3時半頃、神奈ちゃんと思われる部屋着姿の少女が██駅前を通り過ぎる様子が付近コンビニの防犯カメラに映っていた。現時点で神奈ちゃんの姿が確認できるのはここまでである。以後どこに向かったのか判明していない。
3つ目は神奈ちゃん自身の精神状態について。相模一家は神奈ちゃん失踪の一週間前に東北某県の祖父母の家に帰省していた。3日ほど滞在し帰宅したそうだが、祖父母、両親の話によると、滞在2日目の夜から神奈ちゃんの様子がおかしくなったという。具体的には『不安げな表情を見せる』『鏡に映ることを拒む』『常に後ろを気にする』といった挙動をしていたらしい。両親は病院への受診を考えたが、神奈ちゃん本人がそれを拒み、部屋に籠もりがちになっていた。警察はこの情報を元に『神奈ちゃんは何らかの理由で精神に異常を来し、独りで家を出て当てもなく彷徨い、結果不運な事故に遭ったのでは』という見解を出しているが両親はこれに強く抗議している。
以上3つの手掛かりはあったものの、逆に言えばこれしか手掛かりはなく、また神奈ちゃんの行方に直接関わる情報では無い。
3 反響
本事件はメディアに取り上げられ、『12歳少女の不可解な失踪』として大きな反響を呼んだ。警察の徹底した捜査に関わらず手掛かりすらろくに掴めないことから、『神隠しでは』『宇宙人による誘拐』など突拍子もない憶測が飛び、『両親が殺したのでは』という心ない誹謗中傷も飛び交った。尚、この誹謗中傷が原因かは定かではないが母親の美代子が自殺、父親の孝は現在行方不明となっている。
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