第2話 どんなスキル?

 司祭さんも大分困惑してたっす…

開示室でひとりづつだからって騒ぎ過ぎると迷惑になるっす。

「早く帰るっすよ。

次の人が待ってるっす。」


 多分スキルのせいか考え方大人っぽいけど、まだ12歳っす。

こう言う時のために保護者の付き添いが許されてるっす。

「さあ!外の馬車でさっさと帰るっす。」





 大人しく乗ってくれたっすが、大分落ち込んでるっす。

なんか話しかけるっす!

「それで『全世界知識』ってどんなスキルっすか?」

「あぁ…『全世界知識』は初めて聞いたが『賢者』職の『世界知識』は有名だ。

『女王』様の知恵係として国中の人間の知識とリンクして必要な知識を探せるスキルだ。

名前からしてそれの上位スキルだろ、使ってみるか。」


おっ、それは楽しみすっ!

「ハズレスキルとは…」

あっ、やっばそこから調べるっすか。

「…人類は進化の過程で過酷な環境に置かれた、魔獣の事である。対抗するため『ハチ』のように群体として進化していった、まさに並行進化である。『ハチ』のように『働きバチ』『オスバチ』『女王バチ』のように役割りこそが『職業』の始まりであり、職業から発生したのが『スキル』である。『ハチ』は群の中では必ず2割が役割りが無く怠ける者が出る。『無職』の始まりである。『無職』でも『スキル』はある。『職業』を持つ者は『職業』にそった『スキル』を得るが、『無職』の者はランダムで『スキル』を得る。その中で使い勝手の悪い物をハズレス……」

「あぁぁぁぁっ…!!!!うるせぇーっす!!!!」


早口でまくし立てるのやめてほしいっす。

「なるほど、意識して使うと『ネット』の検索の様にダラダラ結果が垂れ流されてしまうのか…」

「いや、『ネット』ってなんすか!?

それ以前に『ハチ』ってなんすか!?

話からして生き物っぽいすけど、そんな名前の生き物聞いたこと無いっす!!」


「…いや、オレも聞いたこと無いけど、誰かの知識らしい。

この知識にアクセスしてから色んな事に違和感があるんだよ。」

「まあ、全世界って言うぐらいっすからヨソの国の知識にも繋がってんじゃねぇっすか?」


「…なるほど、ヨソの国にはそんな考え方や生き物がいるのかもな。


それより『職業』を得たって事は、職業訓練学園…なんか違和感あるな…学園に通わなくてはならないのか。

面倒だな…」


「いいじゃねぇっすか。

ウチなんて『無職』だから学園通ってねぇっすよ。

ほんとなら働かなくても最低限生活は保証されてんのに、『ハズレスキル』持ちを雇いたいってアリス坊ちゃんが無理言うんで『家政婦』職でも無いのに働いてやってるっすよ。」

エッヘンって感じっす!!

「それだよ!学園には『無職』の奴がいないんだ!!

当然『ハズレスキル』持ちもいない…最悪だょ…」

を、もう屋敷に着くっす。

「親御さん達にはちゃんと報告しとくっすよ!」

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