はずれスキルは当たらない!!

だんな一座!!

スキルを求めて

第1話 ハズレたぁ~!!

  「あぁぁぁぁっ……なぜだあァぁァァァ!!!!!!」


 と、大騒ぎしてんのがウチの雇い主アリスティア、通称アリスっす!

ウチはアリス坊ちゃんって呼んでるっす。

 

こんな名前なのに女々しい奴っす。

 ウチは専属メイドのジャバウォック、ジャバって呼ばれてるっす。


「司祭さん、すまねぇっす。

すぐ連れ出すっす。」

「…おっ、お気になさらず。『職業』が気に入らず騒がれる方も一定数おられます…し」

って言いながら、司祭さんも大分引いてるっす。

「アリス坊ちゃん、なっちまったモノはあきらめるっす。

スゲ〜いいスキルじゃねぇっすか。」


「お前!!俺がどんなスキルを狙ってるか知ってるクセに!!

俺の中では何よりのハズレだぁ~っ!

最悪だあァァァ…」


 選定の儀はヨソの人もいるんすから騒がないでほしいっす…

ウチの国では第二次性徴期?でスキルを授かる前に司祭職などのスキルであらかじめ職とスキルを確認して早目に自覚してスキルを使えるようにする風習があるっす。


まあ選定しなくても自然に使えるようにはなるっすが。

ただ何割かのひ…「2割だ!」心読まないでほしいっす…2割が職業を貰えず無職になるっすがスキルは貰えるっす。


職業がある人は職にそったスキルを貰えるんすが、スキルだけの人はどんなスキルになるかランダムっす。


その内何人かは、使い方のわからん変なスキルでハズレスキルって呼ばれてるっす。


アリス坊ちゃんは小さい時に読んだ『はずれスキルの英雄譚』って小説に感化されてハズレスキルを狙ってたっす。


「だからって『大賢者』職のスキル『全世界知識』なんてはずれ過ぎだぁァァァ!」

「ほかの皆さんはそんな感じのスキル欲しがってるっすけどね。」

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